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考える人々 ・江 弘毅さん ・藤田 功博
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■5月の問い
「情報とは何か?そして情報編集に求められているものとは何か? 序章」
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Meets Regional6月号 7ページより引用しています。



街の店の「素直にいい」「だからすごい」の情報は
その物語にしかない。


○×出身だから、そこの料理は美味しい。リヨンのどこそこで何年修行したとか、ラフィット82年ものとか、ブルターニュ産オマールとかいろいろあるが、誌面でこういうフレーズを扱う場合のアブナさは、フェラーリに乗ってる、エルメスを着ている…とかと同様に、実際にその人がかっこよくないと、つまり話が面白くないと空虚だしうっとうしい。その点がグルメ・レベルの記事を書いたり、話題をする人のつまらなさで、また言語として「わかる人にしかわからない」から絶望的になる。それって、丸裸の記号でほとんどデータやないか、だからだ。

以前、実家の近所のお好み焼き取材に案内した際、やはり凄く旨くてライターを驚かせたのだが、その時、曽束くんは「粉には何を入れてるのですか」と訊いて、祭の日には大工方をやっているおっちゃんが「まいど!」みたいな感じで「塩と味の素や」と即答して、二人してアチャーと笑った。けれども彼はその取材で「青海苔とカツオはどこ産を?」などとは訊かない。

そういえばある情報誌の「おいしいお好み焼き」特集で、その厚さを測って全店比べていて、こいつらはイナカモンかと苦笑したのだが、そういう「誰にでも分かりやすいデータで」という軸足の置き方に、冒頭のその種のグルメ情報記事のスカさがある。

情報は「おもろい話の中」に載っかってないと、単に消費にアクセスするためだけのものになる。そしてその情報は、その固有な物語の厚みの分だけふくよかなものになる。そのためには話の次数をもう一段、街レベルに上げることが必須だ。うーん、難しいね。



【プロフィール】
江 弘毅

だんじりから生まれ、だんじりに育てられた由緒正しき岸和田文化の継承者であり、雑誌「Meets regional」の編集長。祭の現場よろしく、何事も即断即決のオトコマエであるが、イラチと紙一重という話も。
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