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金沢や津和野は「小京都」と呼ばれ、風情のある歴史的な町並みにファンも多い。このような「小京都」は果たして全国にいくつあるのだろう?ふと気になって調べてみると、北は青森・弘前から南は鹿児島・知覧まで全国になんと五十三もあることがわかった。平均して一都道府県に一つ京都がある計算で、これは既に全国制覇である。小大阪とか小東京と言う通称をほとんど耳にしたことがないことから考えると、いかに京都ブランドが大きなものかわかる。
「小京都」の多くは、地元の大名が京都ファンだったなどのエピソードに基づいていて、現にそのような土地には祇園祭や時代祭という同じ名の祭が行われている。しかし実際のところ、「小京都」というのは自称が基本であるため、どういう意味合いで「京都」という言葉を使っているのか疑問に思う土地もある。街が碁盤の目になっていて道が直角に区切られていたりとか、日本風の町家が立ち並んでいるとか、石畳があるとかいうだけで小京都を名乗ってしまう市町もあるらしい。
京都のもっとも京都らしいところは、「ヨソさんはヨソさん、ウチはウチですやんか」という、唯我独尊的思考にある。未だに京都を日本のミヤコだと思っていたり、東京や大阪の都会を見下すような姿勢こそが、京都らしさの真骨頂である。それを考えてみたときに、「小京都」を名乗ってブランドをレンタルする街というのは、「京都らしい」という面からやや遠い発想だと思うのである。
どんな街にもきっと代えがたい魅力があるはずだし、その魅力を「京都」という言葉で安易に形容してしまうのは、とてももったいないと思う。看板だけの街の寒さは目の肥えた観光客なら一度で見抜いてしまう時代。くれぐれも「京都」のご利用は計画的に、ということである。
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