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おのぞみドットコム京都らしいものの現在>[化粧]小町をたずねて
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「才女でとにかくきれいだった」というのが、今に伝わる小町像。「容貌秀絶」だとか、「悽婉女流第一の名手たり」などなど、今も昔もあらゆる誉め言葉を尽くして紹介される小町だが、今の時代で生活する私たちにとって、そんな話はあまりピンとこない。されど「世界の三大美人」である。よほどの魅力を持った人物だったに違いない。

数々の美しい京女の中でも代表格であろう小町のゆかりの地と聞き、小野の里にある[隋心院]をたずねてみた。

小町が眺めたという梅園の横を抜けて、向かったのは[化粧井戸]。丸く深いいわゆる「井戸」をイメージして行ったところ、深いところに浅く水が貯まった池のような作り(写真左)で驚く。「女小野小町つねに此の水を愛して艶顔を粧ひし」と文献に残されているように、ここは小町が朝夕、自分の顔を映しては化粧をしたところだという。日中の暑さが残り、蝉の声が響く夏の夕暮れ、張りつめた冷たい空気が漂う冬の朝、静かに一人で水面に向かって化粧をこらす小町を思うと、彼女の感性はそんな時間にも作られたのかも、と考えてしまう。

う〜ん風流、と思いつつ、本堂を挟んで裏手に回ると、今度は木々の間に石を積み重ねたモニュメント(写真右)があった。何でも小町がもらった千通のラブレターが埋められた場所らしい。恋に破れて写真を燃やすとか、そういう話はベタだが、塚にしてしまうあたりすごい。「大量のラブレターが埋められた場所」が名所として成立してしまう人なんてなかなかいないのではないだろうか。いや、しかし千通である。

また恋愛エピソードとしては、都に疲れて、地元に戻った小町と、それを追って結婚を申し込み続けた深草少将の話が有名だ。会ってほしいとの手紙を受け取った際、庭にシャクヤクを百株植えてくれたらお会いしますと返事をした小町。愛情を試すための駆け引きと言うオーソドックスな説もあるが、「肌のトラブルを抱えていたために、治るまでの時間稼ぎをした」という乙女心から来たという説も。

だが九十九本植えた時点で、帰らぬ人となってしまった少将。自分のせいだと気も狂わんばかりに思いつめた小町の悲しみたるや、相当深いものだったに違いない。肌荒れを気にしたり、恋で悲しんだり、「花の色は〜」と老いを嘆いたりする小町からは、才色兼備でパーフェクトな小町像とは違う、しとやかで人間らしい女性の姿が見える。その人間らしさもまた、世界の三大美人としてふさわしい小町の姿なのかな、と思った。





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