
私一般的に西陣織は他の織物に比べて、織り方が複雑で、光沢のある色糸や金銀糸などを立体的に織り込んでいくので、華やかできらびやかだと言われています。それも最高の技術者による分業の賜物でしょう。これこそが他にはない西陣織の魅力なんです。だからこそ長年かかって築いてきた西陣の伝統は、しっかり守っていかなければならないものだと思います。うちは代々続く帯屋ですから、蔵の中には明治・大正期に織られた帯地の切れ端や下絵がたくさん眠っています。最近はそれら昔の名作デザインを復刻した帯の制作に取り組んでいます。過去の素晴らしい模様を、再び世の中に送り出そうと思っているのです。
西陣織を支えるもの。それは「他にはない、いいものが欲しい」という人々の欲求、そして「きっとそういうものを作ってくれるだろう」という西陣に対する期待でしょうか。昔は「みんなが持っているから私も欲しい」という流れがありましたが、今は「みんなが知らない、自分だけしか持っていないものがほしい」と思う時代に変わってきていると思います。だから、自分だけのいいものが欲しいという思いや欲求に応えられるように努力しないといけないと思っています。
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