
こういう業界は後継者の問題もありますね。辞めていかはる人も多いんです。若い人が仕事教えてくださいって来る時もあるよ。今、僕らの年代で息子さんが仕事を継いでいる人はほとんどいいひん。僕も息子に継がせてないですからね。長男は継がそうと思ってたんやけど、この業界があかんことなってきたから辞めさせたんです。だって仕事がないんやから。この業界にとっては悪いかもしれないけど、仕方ありません。だから僕で終わりです。僕が持っているものは誰にも伝えられないですよね。寂しいことです。
僕らも悪いんです。景気のいい時にあぐらかいていたというか、先を見てやってなかったわけですから。そりゃ今では考えられないほど仕事は次から次へとありましたからね。本当にずっとこの仕事はあるもんやと思っていました。洋風化には逆らえないから、いっぺんに時代の流れが変わることはないやろうけど、少しずつ取り組みをせんとあかん。長年かかって蓄積してきた技術を、僕らの代で途絶えさせたらあかんという責任感があるんです。だからこそ手の打てる内に、今僕らができることをがんばっておかないといけないんですよね。
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