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書店に並ぶ「京都特集」の雑誌や書籍。その中にはたいてい和菓子特集が組まれているのだが、読んでいて前々から気になることがあった。それはアンコを使っているからというだけで「和菓子」として扱われていたり、街の「おまんや」も「上菓子屋」もごちゃ混ぜに「和菓子屋」として紹介されていたりすることだ。少し言わせてもらえれば、これらは間違っている。懐石もそばも鍋もみな「和風料理」だとしてひとくくりに紹介するようなものだ。もっと和菓子へ愛を!と声を大にして言いたい。
確かに京都には、「鶴屋○○」「亀屋△△」というような似た名前の店が山ほどある上に、どこのお店も創業から何百年という老舗揃い。観光に来た人にとってはどういう違いがあるのかまずわからないし、住んでいる人間にとってもややこしいだろう。そこでこの企画では、京都の和菓子世界をもっと気軽に楽しんでもらうために、店を成り立ち別に整理して紹介していきたいと思う次第だ。京都の和菓子屋は大きく分けて次の四つに分けられる。
一つ目は、唐菓子や南蛮菓子を土台に、新たな製法や材料によって日本風にアレンジして育ててきたお店だ。そばぼうろやカステラ、コンペイトウなどは洋菓子と思われがちだが、伝来してきてからの長い歴史において日本人向けの改良がなされたものだ。二つ目には、お寺や神社の近くにあり、それらの場所で行われる茶会や儀式用の菓子を作ったり、そこに勤める人々や参拝する客のための菓子を作ってきたお店がある。これらのお店にはたいてい「○○寺御用達」などの看板が掲げられていて、僧侶や参拝客にまつわるエピソードが数多い。そして三つ目は、一般家庭のおやつを作り、街ごとに長年親しまれてきたお店だ。「わらび餅」や「桜餅」、「みたらし団子」や「おはぎ」など名前を聞けば誰でもわかるような身近な商品を扱っているのが特徴で、店の名前もよく似た名前が多い。そして最後の四つ目は、「上菓子屋」と呼ばれる「いわゆる和菓子屋」さんである。店の職人はオンリーワンにこだわり、商品名も「州浜」や「竜田姫」などお店が独自に名付けた予約制の商品が多い。かなりの上級者向けである。それぞれのお店はそれぞれに使うべきタイミングがあり、要領を得た京都人はその使い分けを楽しんだり、使い分けからセンスを見極めたりする。つまり和菓子はまず、「その店がどういう店か」を知ることが大切なのである。
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