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京都ショップカード文化の昨今。

とても好きなデザインのショップカードがある。千本今出川にある[静香]という古い喫茶店のカードだ。白地の紙に版画のようなタッチでおかっぱの少女が描かれているもので、実際の店の雰囲気がそのまんま集約されているようなカードだ。私のカード収集癖はここから始まって、その後1軒、2軒と数を増していき、今では専用のケースを買い求めたほどである。

ショップカードの何が素敵かというと、そのデザイン性である。元は、「店名+住所+ 電話+営業時間(定休日)+地図」といった、店のデータ的な情報を告知・宣伝する為に作り始めたのだと思うが、今やそうした宣伝的な役割だけでなく、デザインを通して「店のコンセプト(看板的な役割)」をPRする役割を果たしているように思うのだ。紙質、色、デザイン、フォント…、店主の心意気はカードの細部にこそ宿る。だからこそ、手のひらに収まるほどの小さなカードに惹かれるのだ


創業以来ずっと同じフォントを使っている和菓子屋の「店名刺」もあれば、元々はマッチを配っていたけれど「昨今の禁煙ブームを受けてカードにしてん」という喫茶店のシックなカード、そして街の新しい流れを作りだしているカフェに洋服屋などの斬新なデザインのカードなど、近頃のショップカード事情は様々である。

また、近年のカフェブームと共に、店の宣伝の在り方そのものが変化してきている。つまり、「カフェ=情報発信・情報交換の拠点」となってきているのだ。実際に、カフェには人も多く集まるし、若いクリエーター達や企業(他ショップ)も集まる場所なのだ。(ちなみに弊社のサイト「おのぞみドットコム」の告知カードも京都・四条界隈のお店に多く置いていただいている)

そこで注目すべきなのは、Aというカフェに、洋服屋B、美容院C、ダイニングバーDといった風に、Aという1店の中に、その他の店のショップカードが置かれているケースが多くあることだ。もちろんこの場合、店同士のつながりがあったり、店員さんがただ単にその店をヒイキにしていたり、そうでなければ他の店から「置かせてくれ」とお願いされた結果、様々なショップカードが店の棚(あるいはレジ横)を埋め尽くすように置かれているのだろう。しかも、こうした「芋づる式宣伝方法」の場合、同じような雰囲気を持った店同士のショップカードが置かれているケースがほとんどだ。類は友を呼ぶ、とでもいったところ。

今や店のコンセプトが詰まったショップカードは、店から離れた場所でも「店の看板」として一人歩きし始めている。いや、「芋づる式宣伝方法」の場合は、二人歩き、三人歩き…とも言える。「店の看板」であるカードが、いつしか同じような仲間を見つけて繋がっていく。その先にあるのは、店の作り出す新たな共同体といったところであろうか。店にズラズラと並ぶ秀逸なデザインのカードを目にする度にワクワクする。たかがカード、されどカード。あなどるべからず、である。






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