
[平野とうふ]のある麩屋町(ふやちょう)通の名前の由来は、秀吉が京都の碁盤の目をつくり直した時に、通り沿いに豆腐や湯葉など麩関係の商売人が多かったことに由来している。また、東海道の終着地点である三条から続く旅籠の名残もあり、現在も[俵屋][炭屋][柊屋]などの老舗旅館が軒を連ねる旅館街でもある。これら老舗旅館の朝食で出される豆腐をずっと卸しているのがこの店だ。
「機械に頼らず自分の手で豆腐が作れるようになって、はじめて自分の作りたい豆腐が作れるようになる」と話すご主人は、昔ながらのにがり製法を用いつつやわらかい豆腐を作る高度な技術を持っている。その技術を支えるのは経験で培ってきた目と舌。豆乳へにがりを入れるベストなタイミングを見極め、にがりを入れてから一瞬のうちにサッと鍋をかき混ぜる。毎朝5時から作り始めるというこの絶品豆腐を求めて、近所の老舗旅館の料理人がうつわ片手に毎日やって来る。
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