
豆腐作りは、まず材料となる大豆を一晩水に浸けておくことから始まり、型箱に流し入れた豆腐をさらす最後の仕上げまで水を使う。おいしい豆腐を作るにはいい水が欠かせない。いい水とは、大豆の甘みをそのまま引き出してくれるクセのない水のこと。伏見といえば名水が湧き出ることで知られる土地柄だが、実はいい水にはそう簡単に巡り合えるものでもないという。しかし[丁字屋]の先代は「豆腐作りは水が命」のこだわりから、全財産をつぎ込んで6回も井戸を掘り直したそうだ。「大豆はともかくいい水っていうのはどこからでも仕入れられるわけではないですから。この井戸はうちの生命線です」と現主人は言う。
大豆も糖分の多い国産大豆使用を使用する。上質な水と大豆を使い、ちょっと割れ目が入った見た目がまた魅力的。これは不必要な薬品を使っていない証拠なのだ。伝説の井戸水が生む豆腐は、みずみずしくまろやかな口どけで、食べた後には爽快な気分になる味わいだ。
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