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きょうはカフェ日和
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街が見える場所
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百万遍近くにある[進々堂]が誕生したのは、今から74年前。詩人でもあった初代オーナーが、詩とパンの勉強をするべく、フランスへ留学したのがきっかけだ。そこで彼が目にしたものは、学生たちが自由に憩うカフェという空間だった。コーヒーを傍らに、書き物に集中したり、友人と議論を交わしたり、カフェや喫茶がブームとなる今でこそ当たり前だが、当時の日本ではそんな光景に出くわすことはなかったという。形は様々ながらも、何かに没頭する学生たちに、若者独特のエネルギーを感じたのだろう。帰国した彼は、この百万遍の地で、自分の見てきた空間の再現を目指した。自ら建物の外観を設計し、完成したのが今も残る[進々堂]である。
そして、当時の雰囲気を[進々堂]は今も残している。小さな扉をくぐった店内で、一際目を引く古いレジスター。もしかすると生まれてから一度も目にしたことのない人もいるかもしれない、今ではすっかり貴重なものとなってしまった黒電話。文字盤が汚れてかすんだ時計やタイルのレトロなケーキケース、そしてずっしりとした食器棚。どれもこれも、その物が歩んできた歴史を感じさせるものばかりだ。
「使い勝手が悪いこともあるけど、まだ使えますから。昔の物の方が丈夫ですし」
新しい物に変えようとは思わないのか尋ねると、奥さんはそう答えてくれた。何より、新しいものに変えてしまうと、「お客さんも寂しがる」のだと店長の川口さんも言う。
近くに大学がある事もあってか、学生客も多い。卒業してからも度々訪れてくれる人も沢山いるそうだ。彼らにとっては、自分の青春時代の一頁でもあるこの店が、変わらずに存在してくれるという事が何よりのもてなしになるのだろう。取材の日も、30年ぶりに訪れたという客が、「そうそう、この感じ。変わってないわ」と懐かしそうに呟いていた。
昔とほとんど変わらぬ姿を残しているが、それでも訪れる客の様子や雰囲気は少しずつ変化しているようだ。教授と学生が連れ立って訪れ、授業の延長のように討論したりする光景が少なくなったという。
しかし、お気に入りの一冊を読みふけったり、友人と何気ない会話に花を咲かせたり、締め切りの迫る課題にいそしんだり。何かを積み重ねて日常や自分を形成していく、その一頁にこの場所を選ぶ人は、決して少なくは無い。先代がパリで見たあの光景、今でもしっかりとこの場所に根付き、変わらずに受け継がれているのだ。
「自家製カレーセット」。お米は岩手から直送、野菜は山科の農家から取れたてのもの。パンは毎朝焼きたてで、バターもマヨネーズも自家製。安全にもしっかり気が遣われている。
ケーキは、ウィーンでお菓子の勉強をしたという奥さんの御友人の作。こちらも毎朝焼き立てが届けられている。
・自家製カレーライス 480円
(カレーセット 750円)
・ホットドッグ 480円
・アイスコーヒー 370円
進々堂
京都市左京区北白川追分町88
075-701-4121
8:00から18:00
火曜休
駐車場:無し
カード:不可
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何かを積み重ねて、自分を作り上げる場所。
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