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木造りの重たいドアを押すと、ふわりとパンのいい匂いが体を包み込む。メニューにはクロックムッシュ(チーズを使ったホットサンド)や、キッシュ、中身の具はもちろん外側のパンの種類も選べるサンドイッチなど、パンを活かしたメニューが充実している。
もともと、こちらのオーナーはパン職人という経歴の持ち主。それがなぜパン屋でなく、カフェのオーナーになったのか。「作って売るだけじゃなくて、“おいしい”っていうお客さんの反応が見たかったんです」そんな気持ちで開かれたのが、[カフェコチ]なのだ。
とは言え、パンが目当ての人しか楽しめないという訳ではない。
大きな窓からたっぷり入る自然光が、緑色の壁を明るく照らし出す。フランス映画のポスターが貼られているかと思えば、キッチンにはアメリカのキャンベルカン・スープの缶が並び、ヴィヴィッドなテーブルクロスは一目見てメイド・イン・アジア。無国籍で色んな表情が店内にはあふれている。
「壁は友達に手伝ってもらって、自分たちで塗りました。鳥の絵は知り合いの画家に描いてもらって。原色を効かせて、南仏とかメキシコみたいな感じをイメージしました」とはオーナーの言。手作りでちぐはぐだけども、どこか陽気で人をホッとさせる温かみがある。実際に、雑誌を読みながらコーヒーだけ飲んで時間をつぶしてもいいし、パンを注文せずカレーやクスクスで腹ごしらえをするのもいい。楽しみ方は人それぞれだ。
ただ、パンを注文しなくても、フワフワのパンの姿がなぜか心のどこかにひっかかる。[カフェコチ]はそんな作りになっている。パンの匂いが漂っているのもそうだし、パンを食べている他のお客さんの姿が見えるのもそうだし、厨房からオーナーがパンを焼いている姿が見えるのもそうだ。
取材時に注文した「本日のスープ」というメニューも、決してパンが主役ではない。パンもセットになっているが、メインはやはりスープ。インゲン豆やトマトがゴロゴロ入っており、飲むというより食べる感覚の具だくさんスープだ。けれどスープを食べ進んでいくと、そえられてあるだけのバゲットが、徐々に存在感を増してくる。スープと交互に食べるうちに、バゲットがもっともっと欲しくなってくる。
決してパンだけが目的で入るカフェではない。他のカフェのようにコーヒーと雑誌だけでくつろぐのもいい。
けれど、他のカフェと違うのは、そんな使い方をしても、店を出るときには必ず「パンっていいなぁ」そんなことを実感できることなのだ。
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・本日のスープ(パン、サラダ付き) 700円
・クロックムッシュ 630円
・チャバッタサンド 700円
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カフェコチ
京都市中京区富小路三条上ル福長町123 黄瀬ビル2F
075-212-7411
12:00PM〜11:00PM
木休
カード:不可
駐車場:なし
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[猫町]
北白川
日常の隣にある素朴な贅沢 |
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