マス子は、関西の出版社で働いている人とコンタクトがとれないかを就職課に聞いてみることにしました。
そして、出版社と広告店に勤める方々にお話しを伺うことができました。
005 株式会社フェイム酒の席で、売れる本のネタを探れ
光村推古書院株式会社
営業部長 浅野泰弘さん

段落見出し・知りあう人が「生きた教材」

もともと出版業に行きたかったんです。なんとなく「出版=編集=ライティング」だと思っていて、作文が得意だったし。ちょうど、光村推古書院が営業職を募集していて、編集と営業と両方できたらいいかなって入社しました。実際、当時は、社員数が少なくて編集もしていまし た。ただ、社員全員が編集者というわけにもいかなかったので、30歳の頃から営業のプロを目指そうと思うようになりました。営業職とは、まず人と会うこと。それが僕にとっては何より楽しいです。
仕事を始めた頃は、同じ業界の人とたくさん知り会うことを目標にしていました。社外の人から得た業界や他社の動向などの情報は、自分の方向性を見つけるのに役立つ。彼らは「生きた教材」です。出版社、書店、取次店のあらゆる人に会って、お酒を呑み交わしました。その体験から出版営業に必要なのは、強靭な肝臓なんだと思いました(笑)。ちなみに、その関係は今でも続いていて、当時、一緒に呑むのも怖かった人とも、今となっては肩を並べて呑めるのも楽しいですね。

京都の出版社やし、京都弁で

営業の醍醐味はやはり、自社本が売れること。その為には、地道な営業活動が求められる。私の営業の主な仕事は、書店に本を勧めに行くことで、僕も週3で京都含め関西の、月1で全国の書店をまわっています。売れないものは即、消えていくコンビニとは違って、書店は、売れてなくてもしばらくは置いてくれる。だからこそ、書店とのつながりも重要なんです。書店さんに悪い印象をもたれるより、良い印象をもってもらう方が、設置にも配慮してもらえるんじゃないかと思うので。人間と人間とのつきあいが何よりも大事です。地方の書店に行くとき、僕はあえて京都弁のままで話します。「京都の本を京都人が売りにきた。産地直送だ!」そう思わせて、より多くの本を置いてもらうのが僕の営業戦略。
京都の書店で、本を褒めてもらうのも勿論嬉しいけど、そうやってまわった地方の書店で「売れ行きがいい」って聞くと、感激です。また、全国の書店をまわることで、各地に知り合いができていくのも楽しい。 自社本が売れるところを見ることは奇跡に近いのですが、なぜか僕はその瞬間に遭遇することが多いんですよ。特に、地方でその瞬間を見ると「やっぱりうちの本は売れるんや」って実感して嬉しかったり。お客さんをつかまえて「一杯おごるわ!」って言いたいくらい(笑)。逆に、書店に置いてくれるように営業活動をしたのにもかかわらず、自社商品の反応が悪かったり、返品されてきたりするとつらいね…。

いい本が売れないのは営業の責任!?

個人的には、町の本屋がどんどん潰れていくのが寂しい。ウチの本を置いてるところは少ないんだけど、知り合いが多いし。だから店を畳まれて、知り合いが業界から去られていく、それが悲しいです。全体的なことを言うと、新刊本が出されすぎ。新刊が次々と出されていくので、書店がじっくりその本を売ることができない。次々に運ばれる本を並べるだけの作業に追われて、書店員の成長を妨げているとも思いますね。勿論、出版業の人間としては、「良書」はどんどん出されてほしいです。「良書」っていうのはベストセラーのこと。たとえ中身が下らなくても、経済的に影響を与えているから、それは良書。だから、ベストセラーがどんどん出て、業界全体が潤っていくといいですね。たとえ面白い本でも、宣伝が十分になされなかったり、新刊本の多さから他に埋まることがほとんど。だからこそ、営業の地道な努力が求められます。

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光村推古書院株式会社
営業部長 浅野泰弘さん写真02 写真03
取材者所感

営業職って、サボろうと思えばサボれるから、自分で自分を管理してモチベーションを保ち続けないと、長続きしないと語る浅野さん。そのモチベーションの源は「本が好き」の一言ではないかと感じました。

ライフステージと私のヴィジョン

今最も実現させたいことは何ですか?(仕事において)

現在の目標は、異業種の人と知り合うこと。僕ら営業は、編集者とは違って著者とは知り合うことはないけども、
陶芸家や料理家といった文化人と知り合う機会は多いので、そこでの交流を広げていきたいと思っています。

10年後の自身の目標は何ですか?(仕事、プライベートいずれでもOK)

僕の理想の営業職像は、売れる本を作れる営業マン。読者のニーズを知っていて、
それに合う本の企画を立てて、編集者に提案してきたい。

マスコミ業界を目指す後輩へのメッセージ

まずは、本を読んでほしい。ジャンルは何でもいい。本から今まで知らない言葉や知識を得てほしい。
あと、出版営業という職を知ってほしい。「出版=編集」というイメージがありますからね(笑)

企業情報
企業名光村推古書院株式会社
公式HP http://www.mitsumura-suiko.co.jp/index2.html
事業内容書籍・雑誌の編集・出版
設立 1958年4月
従業員数8人(2007年11月現在)
連絡先京都市北区北山通堀川東入ル(紫竹下本町47-10)
電話 075-493-8244
FAX 075-493-6011

※2009年新卒採用情報 いまのところなし