営業職って、サボろうと思えばサボれるから、自分で自分を管理してモチベーションを保ち続けないと、長続きしないと語る浅野さん。そのモチベーションの源は「本が好き」の一言ではないかと感じました。
そして、出版社と広告店に勤める方々にお話しを伺うことができました。

営業部長 浅野泰弘さん
段落見出し・知りあう人が「生きた教材」
もともと出版業に行きたかったんです。なんとなく「出版=編集=ライティング」だと思っていて、作文が得意だったし。ちょうど、光村推古書院が営業職を募集していて、編集と営業と両方できたらいいかなって入社しました。実際、当時は、社員数が少なくて編集もしていまし た。ただ、社員全員が編集者というわけにもいかなかったので、30歳の頃から営業のプロを目指そうと思うようになりました。営業職とは、まず人と会うこと。それが僕にとっては何より楽しいです。
仕事を始めた頃は、同じ業界の人とたくさん知り会うことを目標にしていました。社外の人から得た業界や他社の動向などの情報は、自分の方向性を見つけるのに役立つ。彼らは「生きた教材」です。出版社、書店、取次店のあらゆる人に会って、お酒を呑み交わしました。その体験から出版営業に必要なのは、強靭な肝臓なんだと思いました(笑)。ちなみに、その関係は今でも続いていて、当時、一緒に呑むのも怖かった人とも、今となっては肩を並べて呑めるのも楽しいですね。
京都の出版社やし、京都弁で
営業の醍醐味はやはり、自社本が売れること。その為には、地道な営業活動が求められる。私の営業の主な仕事は、書店に本を勧めに行くことで、僕も週3で京都含め関西の、月1で全国の書店をまわっています。売れないものは即、消えていくコンビニとは違って、書店は、売れてなくてもしばらくは置いてくれる。だからこそ、書店とのつながりも重要なんです。書店さんに悪い印象をもたれるより、良い印象をもってもらう方が、設置にも配慮してもらえるんじゃないかと思うので。人間と人間とのつきあいが何よりも大事です。地方の書店に行くとき、僕はあえて京都弁のままで話します。「京都の本を京都人が売りにきた。産地直送だ!」そう思わせて、より多くの本を置いてもらうのが僕の営業戦略。
京都の書店で、本を褒めてもらうのも勿論嬉しいけど、そうやってまわった地方の書店で「売れ行きがいい」って聞くと、感激です。また、全国の書店をまわることで、各地に知り合いができていくのも楽しい。 自社本が売れるところを見ることは奇跡に近いのですが、なぜか僕はその瞬間に遭遇することが多いんですよ。特に、地方でその瞬間を見ると「やっぱりうちの本は売れるんや」って実感して嬉しかったり。お客さんをつかまえて「一杯おごるわ!」って言いたいくらい(笑)。逆に、書店に置いてくれるように営業活動をしたのにもかかわらず、自社商品の反応が悪かったり、返品されてきたりするとつらいね…。
いい本が売れないのは営業の責任!?
個人的には、町の本屋がどんどん潰れていくのが寂しい。ウチの本を置いてるところは少ないんだけど、知り合いが多いし。だから店を畳まれて、知り合いが業界から去られていく、それが悲しいです。全体的なことを言うと、新刊本が出されすぎ。新刊が次々と出されていくので、書店がじっくりその本を売ることができない。次々に運ばれる本を並べるだけの作業に追われて、書店員の成長を妨げているとも思いますね。勿論、出版業の人間としては、「良書」はどんどん出されてほしいです。「良書」っていうのはベストセラーのこと。たとえ中身が下らなくても、経済的に影響を与えているから、それは良書。だから、ベストセラーがどんどん出て、業界全体が潤っていくといいですね。たとえ面白い本でも、宣伝が十分になされなかったり、新刊本の多さから他に埋まることがほとんど。だからこそ、営業の地道な努力が求められます。

光村推古書院株式会社
営業部長 浅野泰弘さん

今最も実現させたいことは何ですか?(仕事において)
現在の目標は、異業種の人と知り合うこと。僕ら営業は、編集者とは違って著者とは知り合うことはないけども、
陶芸家や料理家といった文化人と知り合う機会は多いので、そこでの交流を広げていきたいと思っています。
10年後の自身の目標は何ですか?(仕事、プライベートいずれでもOK)
僕の理想の営業職像は、売れる本を作れる営業マン。読者のニーズを知っていて、
それに合う本の企画を立てて、編集者に提案してきたい。
まずは、本を読んでほしい。ジャンルは何でもいい。本から今まで知らない言葉や知識を得てほしい。
あと、出版営業という職を知ってほしい。「出版=編集」というイメージがありますからね(笑)
| 企業名 | 光村推古書院株式会社 |
|---|---|
| 公式HP | http://www.mitsumura-suiko.co.jp/index2.html |
| 事業内容 | 書籍・雑誌の編集・出版 |
| 設立 | 1958年4月 |
| 従業員数 | 8人(2007年11月現在) |
| 連絡先 | 京都市北区北山通堀川東入ル(紫竹下本町47-10) |
| 電話 | 075-493-8244 |
| FAX | 075-493-6011 |
※2009年新卒採用情報 いまのところなし