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今年の2月25日は、ジャケット1枚をふわりと羽織って歩きたいような暖かい日だった。北野天満宮では朝から天神市が開かれていて、参道の両脇を埋める屋台が大賑わい。自転車での通行は不可能とわかり、慌てて自転車から降りた。
梅の芳香漂う境内は、カメラ付き携帯を片手にパシャパシャとお気に入りのショットを収める観光客や、三脚を担いだカメラマン、そして着物で着飾った婦人たちであふれかえっていた。心なしか、いつもの天神市よりも着物率が高いように思った。というのも、なにせ今日の天神市は特別。天満宮で祀る菅原道真公の祥月命日で、梅花祭の日なのだ。
梅花祭は、今から約900年も昔から行われている祭典。古くは“御祭神を宥める”の「なだめる」の音に近い「菜種」の花を供え、「菜種御供」と呼ばれていた。それが明治時代に入ってから、菜種の代わりに梅を使い出したため「梅花御供」と呼ばれるようになったそうだ。
午前10時から本殿で神事が行われ、絵馬所では上七軒の芸妓による茶会が催される。この茶会は、今から400年ほど前、豊臣秀吉が境内で北野大茶会を催したことにちなんで、昭和27年から毎年行っているものだ。上七軒の芸妓・女将が総出で、朝から3000人もの参拝者にお茶や菓子が振舞われる。境内には茶会を訪れる客で長い行列ができ、始まる前から報道陣も観光客も皆が、芸妓の一挙手一投足に見とれていた。
お茶を点てる芸妓の所作はゆったりとしていて、無駄がない。そして、その所作の1つ1つはため息が出るほど優美だ。
茶会といっても、お茶の作法を知らなくても大丈夫。芸妓さんに面と向かって頭を下げられたら、勝手に頭は下がるもの。いただいたお茶は少し苦くて、横に添えられた落雁のほのかな甘さが嬉しくなる。
青空の下、パッと5枚の花弁を広げて咲き誇る紅・白・桃色の梅。梅の花を見ながらお茶を飲んでいると、「日本人でよかった」と心底思えてくるから不思議なものだ。
菅原道真公が愛した梅。永い時代が流れ、平成の世となっても、その美しさは変わることはない。ふと気付くと、梅が私の頭上から暖かい目で見下ろしているように感じた。いつか私もこの梅の花のように誇らしげに咲くことが出来るだろうか。
[北野天満宮]
京都市上京区馬喰町
参拝時間:夏 5:00AM〜6:00PM
冬 5:30AM〜5:00PM
(※受付時間9:00AM〜5:00PM)
拝観料 :境内散策自由
T E L :075-461-0005
アクセス:市バス「北野天満宮前」下車すぐ。
または京福電車「白梅町駅」下車、徒歩5分
http://www.kitanotenmangu.or.jp/
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