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真剣な会話
> [手染メ屋 ]店主 青木正明(1)
茜(あかね)や柿渋(かきしぶ)などを原材料とする草木染め。淡くやわらかい色合いが特徴で、古代から使われていた染色方法です。
[手染メ屋]は、草木染めにこだわって2002年7月にオープンしたお店です。店主の青木正明さんは、なんと東京大学医学部を卒業後、大手インナーメーカーに勤務、その後草木染めの世界に入ったという異色の経歴の持ち主。なぜ染め職人の道を選んだのか?草木染めにはどのような魅力があるのか?青木さんにお話を伺いました
Q.草木染めとはどのようなきっかけで出会ったのですか?
以前、勤務していた[ワコール]で新商品の企画を担当していました。1995年にエコロジーをテーマにしたブランドを立ち上げることになり、いろいろな素材を探していたんです。そして染料を探している時に、たまたま奈良にある染織会社を紹介してもらって、そこが僕の後の師匠になる廣田益久さんの経営する[益久染織研究所]だったんです。
一緒に仕事をしたのは数ヶ月間だったんですが、仲良くなって仕事が終わった後にもちょくちょく顔を出すようになったんです。恥ずかしい話ですが、それまでは草や木の根から染料ができるなんて知らなかったんです(笑)。
僕は古着特有のぼやっとした曖昧な色合いが好きなんですが、ああいった色は新品では出せないと思ってたんですよ。ところが、益久さんの工房で見た染織物には、その色が出ていました。それで草木染めが好きになったんです。
Q.[手染メ屋]を開業したいきさつはどのようなものだったのでしょう?
[益久染織研究所]に出入りするようになって、[ワコール]での仕事がよくわからなくなってきたんですよ。社歴が長くなると現場に出る機会が少なくなるんです。そのことによって、例えばこだわりたい部分も人に任せなくてはならなくなったりするので、自分の望んだ通りに製品にならなかったり…。
そこで、「草木染めを勉強したい」と益久さんに相談しに行ったら、「じゃあ、手伝ってくれ」と言われて(笑)。2年近くお手伝いしているうちに、気に入ったアイテムを自由に染めてみたくなって、’02年4月に独立することにしたんです。そして、その年の7月に[手染メ屋]をオープンしました。
Q.開業の場所として京都を選んだ理由とは?
京都を選んだのは自然な成り行きでしたね。京都で10年も働いていたので、その間に培った人間関係もありましたから。
出身は三重県ですが、2歳から大学を卒業するまでは東京にいて、就職が決まって京都に来ることになったんです。その時は、東京を離れるのがイヤでイヤで仕方なかったんですよ。あのころはバブル全盛期で、超売り手市場だったんです。なので会社概要もきちんと読んでなくて、就職を決めてから[ワコール]が京都の会社だと知ったんです。
東京を離れることになって「しまった」って思いましたね。東京と京都では刺激の量がまったく違うでしょう、やっぱり。学生の頃は、新宿や渋谷で遊んでいましたから。でも京都に住んでいるうちに、のんびりとした心地よさが分かるようになってきましたね。逆に今は東京がウソくさいと思えてダメですよ(笑)。
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