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真剣な会話
> [手染メ屋 ]店主 青木正明(2)
Q.東大医学部を卒業されたと聞いていますが、なぜ服飾の分野に進んだのですか?
僕は医者を目指していたわけではないんですよ。僕は保健学科専攻で、精神病理の勉強をしていたんです。高校時代は理工系への進学を目指していたのですが、入試直前になって心理学をやりたくなったんです。でも心理学って文科系なんですよ。そこで先生に相談したら、入学後に専攻を選べる大学は東大だって教えられて(笑)。で、東大の理IIに入って、文科系に編入するつもりだったんですけど、うまくいかなくて結局2年留年しちゃったんです。さすがにこれ以上の留年マズイなと思って、医学部の精神衛生学を専攻することにしました。
でも、精神科病棟の現場を見て、この分野で仕事は出来ないと思いました。で、元々服が好きだったので好きな服を作れるアパレル会社を中心に就職活動を始めたんです。でも、医学部卒で、しかも6年間在学していたので、よく誤解されましたね。「医者を目指してたんじゃないか」って。
Q.染色の仕事を始めて面白かったことはなんですか?
[益久染織研究所]で働いていて気付かされたのは、商売ってこんなに楽しくて、わかりやすいんだ、ってことでした。僕は糸の担当だったので、注文に応対してお客さんの希望通りに糸を染め、製品を仕上げて、請求書の発行までやっていました。製造から販売までを一貫して任されていたんです。部署ごとに業務が分かれている大企業じゃ考えられないことですよね。[益久染織研究所]では、製品を発送した後も、お客さんからの反応は僕に直接返ってくるんです。それがわかりやすくて、楽しくて仕方なかったですね。
退職した頃は、お店を開こうっていう青写真はなかったんです。なんとなく草木染めを覚えたいな、っていう気持ちでしたから。でも、Tシャツやバンダナを自分の好きな色に染めて、その商品を気に入ってくれた人が買ってくれる、それがすごく嬉しいんです。
染色の仕事を始めてから、やりがいってことにこだわらなくなりました。やりがいを見つけようとしている人は、現状に満足していなと思うんですよ。事実、僕にもそういう時期はありました。でも、僕は今この仕事が楽しくてしょうがない。だから、やりがいってことをあまり考えなくなりました。やりがいは見つけるものではなくて、1つのものを本当に楽しんでやり通せた時に、後から分かるものなんだと思います。
Q.今後のビジョンを教えてください。
この仕事で大儲けすることはないと思います。とてもニッチ(すき間産業)な分野ですから。でも、いつか東京に直営店を出したい、っていう目標は持っているんです。自分の染めたものを少しでも多くの人に知って欲しいから、一店舗だけで終わらせたくないですね。
それから、染料の原材料は大阪と名古屋の漢方薬業者から仕入れています。本来なら、多くの染織職人さんのように自分で野山に行って探すのがいいんでしょうけど、僕は材料になる植物のことを、よく知らないんです。それらを覚えていくことが今後の課題です。
[手染メ屋]
京都市中京区麩屋町通夷川上ル笹屋町456-2F
075-211-1498
11:00AM〜7:00PM
水曜・年末年始休
http://www.tezomeya.com/
「手染め色無地Tee」5,900円
「手染ダブルガーゼシリーズ(semi-long blouse)」12,800円
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