真剣な会話

やってみたら、どんな回り道でもそれは螺旋階段になる [ガケ書房] 店長 山下賢二さん

Q. ハイキーンのような本を置ける本屋さんに、という思いはあったのですか

もちろんあります。うまくカテゴライズされなくて、行き場のない本があるのを経験で知っていますからね。きっとそういった経緯で、持ち込みの本は多いですよ。情じゃありませんが、お断りするときにも次またいいのができたら来てくださいと言っています。なるべく協力できたらと思っていますね。

Q. 古本や雑貨を売っていたり、弾き語りスペースがあったり、亀を飼っていたり車がつっこんでいたり… 遊びゴゴロがあるなと感じるのですが

僕は今の大型書店みたいなのじゃなくて、究極に普通の本屋さんをやりたいと思ったんです。個人の、自分好みの。キーワードは"fine"、心地よいってことなんです。僕はカチッとした本屋さんってなんか落ち着かないんですよね。心を開いている感じになれる、リラックスできる本屋さんを目指しています。来てくれる人が"fine"になれる、そんな仕掛けが『ガケ書房』のディスプレイなんです。 それに、店の名前ってなかなか覚えてもらえないんですけど、見た目って覚えやすい。「あの車のつっこんでる…」で覚えてもらえますからね。

Q. 今後はどのように考えていますか

2号店は考えていません。頑固な和菓子屋のように、「ああ、あそこにずっとあるガケ書房ね」と言われたい。今うちにいるスタッフにも、自分で店をやるときは自分で名前を付けるように言ってあります。『ガケ書房』は、ここだけです。

Q. ハイキーン、ガケ書房を経て今思うことは

ハイキーンは、今になって冷静に見てみるととても恥ずかしいです。でも、そういう思い出を引きずっていくことも財産だと思うんですよ。年を取ったら、誰でも20代が羨ましく思えることもあると思います。でもそのときに、ただ「あんなことできていぃなぁ」じゃなく、「自分もあんなことやったよなぁ」と思えるのっていいことだなって。いろんなことをやってみる、やってみないは全然違うと思う。やってみたら、どんな回り道でもそれは螺旋階段になると思うんです。少しずつ上に上がっていく。僕も『ガケ書房』を持つことができましたからね。『ガケ書房』は架空のものだったから、この店がオープンして、本が入荷されてくる時ね、宛名に「ガケ書房 様」ってキーボードたたいて真面目に打ち込まれてる!印刷されてる!様までついてる!って、なんだかすごく笑えたんですよ。あのときやっていたから、架空が現実になって、『ガケ書房』がここにあるんです。

  • ガケ書房
  • 住所:京都市左京区北白川下別当町33
  • TEL:075-724-0071
  • 営業時間:12:00PM〜10:00PM
  • 定休日:不定休