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京都市左京区鹿ケ谷にある[法然院]は、江戸時代初期の延宝8(1680)年に創建された古刹です。閑静なたたずまいのお寺ですが、境内や講堂はアーティストたちによる作品発表をはじめ、市民団体によるシンポジウムや公開講座の場として、1年を通して利用されています。誰でも自由に利用できることから、スケジュールは来年までギッシリ詰まっているとのこと。現在の[法然院]貫主(かんす)を務める梶田真章(しんしょう)さんを訪ね、お寺を市民にオープンにしている意義、そして今の社会におけるお寺の役割についてお聞きしました。
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Q.[法然院]を市民にオープンにするようになったいきさつを教えてください。
まず、多くの人々に[法然院]を訪れてもらい、「自由な立場で出会うことの出来る場所を提供したい」という思いがありました。先代である父が亡くなった跡を継いで、私が住職になったのは1984年、27歳の時でした。その頃、寺の境内で野鳥の観察をしていた久山さんという同志社大学の職員をされている方がいたんです。その方と話をする機会があって、自然や環境をテーマに何かできないだろうかっていうことになりました。それで’85年に[法然院・森の教室]という市民参加の講座を始めたんです。活動内容は[法然院]の周りにある環境を生かした自然観察会や、専門家を招いた講演会などです。例えば、クマを追い払う犬である「ベアドッグ」の訓練を日本でしている人を講師に招いて、クマの生態を軸に人と森の関わりをテーマに話してもらったり…。
その教室のことが新聞に取り上げられたり、口コミで伝わったりしていく内に、多くの人から「私たちも利用したい」という問い合わせを受けるようになりました。趣旨や内容に問題がなければ開催を許可していったので、今では年間100件以上のイベントやコンサートが開かれています。
Q.環境問題への取り組みには、もともと関心があったのですか?
住職になったころは、ちょうどバブル経済の時期で、京都でも環境に関する問題がいろいろな場面で出てきたころでした。大文字山のゴルフ場建設問題や鴨川上流にダムを建設する計画などです。
同時に、このお寺を訪ねて「いいところですね」と言う人々が結構多かったんです。そして、「そうした意見は、逆にいい環境が他の場所ではなくなっていることの表れではないか」と考えるようになったんですよ。
[法然院]のある鹿ケ谷は市街地に近いものの、山や森などの自然に溢れています。境内にもいろいろな野生動物が現われて、庭を荒らす被害もあります。でも、そういうことを許容しないと、人間と自然の関係は隔絶してしまいます。つまり人間が少々の危険や不自由を覚悟して、自然と共生していけばいいのではと考えています。
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