おのぞみドットコム
真剣な会話 教授の扉
バカと呼ばれるとさみしい!  
おのぞみドットコム真剣な会話> [ジャパンスタイルシステム] 代表 川邊祐之亮(1)
真剣な会話
川邊祐之亮さん


2004年のアテネオリンピック――。シンクロナイズドスイミングの日本代表チームは、団体とデュエット(立花美哉・武田美保組)が、「和」を追求した演技で共に銀メダルを手にしました。日本チームの水着をデザインしたのは、手描友禅の職人である川邊祐之亮さんです。

川邊さんは、広告デザイン会社への勤務後、家業の友禅染の仕事の傍ら[ジャパンスタイルシステム]というベンチャーを起業。コンピュータグラフィックス(CG)を駆使して、友禅柄を基調にデザインしたスポーツウェアやインテリアなどを製作する事業を展開しておられます。

日本の伝統的な図柄とCGとの融合はどのようにして可能になったのでしょうか?実現にあたってどのような困難があったのでしょうか?西陣のオフィスに川邊さんを訪ねました。



Q.友禅柄をCGでデザインする事業を始めた契機を教えてください。

グラフィックデザインの専門学校を卒業した後は広告関係の仕事をしていたんですが、バブル期に忙しくなってきた父の仕事を手伝うことになり和装業界へ転身しました。それが22歳の時です。その後は、父の下で友禅の図案作りや染めに携わりながら、友禅業界の新しいビジネススタイルとして、ITを使ったB to Cビジネスを模索し始めました。そんな中で、「コンピューターで着物の完成予想図を作って、お客さんに見せたら販売促進につながるんじゃないか」というアイデアを思いついたのです。でも、作家モノの手描友禅を購入する人は、図案にはあまりこだわらないんですよね。高級ブランド品を買うのと一緒で、友禅を買うこと自体が一種のステータスになっているようです。なので、CGで完成予想図を作ってもあまり必要とされませんでした。

7年ほど前に京都市主催の「京都市染織デジタルアーカイブ研究会」に参加する機会があり、自身の頭を着物作家からグラフィックデザイナー側に切換え、CG友禅をプリント用データとして利用することに価値観を転換したのです。その後、研究会内の有志で開発チームを結成し、[アステム]の新製品市場調査プランに提案、採択されました。結局、着物の販促ツールにしようという計画は実現しなかったものの、CGを利用すれば色々な用途に応用できると考えて、東京の展示会にサンプルを出展したんです。それが大手スポーツメーカー、ミズノの企画担当者の目にとまって、2001年に[SPEEDO YUZEN STYLE]というブランドで、友禅柄水着のデザインを任せてもらえることになりました。それまでは個人事業でやっていたものが、ミズノという大口の取引先ができたことを機に[ジャパンスタイルシステム]として法人化したのです。

もちろん、今でも家業の手描友禅の仕事はしています。ただ、仕事の分量は[ジャパンスタイルシステム]の方が多いですけど…(笑)。


Q.アテネ五輪でシンクロ日本代表チームの水着をデザインされたわけですが、制作にあたってどのようなご苦労があったのでしょうか?

取引先である[ミズノ]から話を持ちかけられプロジェクトが始まったのが2003年11月です。シンクロは4種目あるのですが、私はチーム(8人)のテクニカル・ルーティーンとデュエット(2人)のフリー・ルーティーンの2種目で使う水着のデザインを担当することになりました。いずれのチームも日本的なもの表現する方針で、チームは「阿波踊り」、デュエットは「歌舞伎」がテーマでした。

製作に取り掛かって「阿波踊り」のことを調べていくうちに、女性の踊り子の着物が気に入って、それをチームの水着のモチーフに選びました。デュエットの水着製作では、井村揺代コーチや選手の立花美哉さん、武田美保さんと一緒に東京の歌舞伎座へ行って、出し物や衣装を見せてもらい、彼女たちが気に入った「三番叟(さんばそう)」という演目の衣装をベースにデザインすることになりました。

悩んだのは海外の人にどう表現するか、ってことでした。採点競技なので、一目見て「日本」とわかって、好印象を与える必要があったんです。また、シンクロの試合は屋外プールを使って夕暮れに行われるので、野外照明に合うようにメリハリのある図柄がいいってことになりました。これらの条件を満たすことに腐心しましたね。


1/2 >>

シンクロナイズドスイミングの日本代表チームの水着

シンクロナイズドスイミングの日本代表チームのシャツ

水着のスケッチ

川邊さん



お問い合わせ会社概要ポリシーサイトマップこのサイトについてスタッフ募集!
Copyright (c) Nozomi,inc All Rights Reserved.