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 |  | Q、花街の方とお付き合いする上で気をつけることなどありますか? 筋は通さないとあかんということやね。一つは、最初にくぐった門以外から入ったらあかん。例えば僕はもう最初に紹介してもらったところ以外にもお茶屋さんを知っている。でも、そこに直接仕事の話を持っていってはいけない。例え違うお茶屋さんでも、最初に紹介してもらったところから、つないでもらうようにせなあかん。そうしないと、信用を失う。そこは筋を通さなあかん。もう一つは、キャンセルと言うのが無いということ。仮にお客さんがキャンセルをしても、お金を払わないといけない。これも筋やね。当然、時間とかにも厳しい。約束事は守らないとあかん。
Q、それは松本さんご自身の仕事観にも反映されているのでしょうか? うーん、どうやろうか。昔は、何も花街に限った話やなく、京都自体もっと義理堅い世界やったと思うんです。でも最近はどこもかしこもビジネスだけのうわべの関係になってきてる。でも花街はまだそういう義理堅さが生きている。花街は狭い世界やし、しかも商品ではなく人を扱うところやから、仕事観に反映されているかどうかと言われたらわからんけど、そうせんとうまいこといかへん、その世界に受け入れられへんというのはありますね。人間関係がギクシャクせんようにするための工夫です。趣味の延長とはいえ、お金をもろてやってるビジネスですから、私もそこはきっちりせなあかんとは思います。
Q、では、松本さんがこの仕事をされるに当たって、他に気をつけていることはありますか?
花街との付き合いに限った話ではないけど、隠れた部分でお互いが努力しあうことが大事ですね。たとえば、さっき「無理を聞いてもらえるようになった」と言ったけど、それかてお互いに「この人ならええようにしてくれる」という信頼があってこそなんです。ビジネスとしての表向きのことでなく、お互いにお付き合いをちゃんとして助け合わんとあかん。京都はもともとそういうところやったはずやで。
Q、京都の伝統の何に魅かれますか?
なんといっても、よその人に「ええとこや」と言ってもらえるところです。ただ、そういう人らは京都の有名なところくらいしか知らんと言ってる。それが残念。観光名所以外にもいいところがたくさんある。下手したらそういうことは京都の人でも知らない。それは商売になるかならんかは別として、多くの人に伝えていきたいんです。
Q、それが松本さんが観光の仕事を始めた直接の理由でしょうか。
まさにそうです。だから言うたら、僕はこの観光の仕事を商売としてやる前からやってたんですよ。たまたま人からやってみいへんかと言われたのと、他に誰もやってないということで商売にしたというだけで、お金になるならんはもともと考えんとやってたことですから。
Q、今後の展望をお聞かせ下さい。
今は学生さんの案内がメインやけど、今後は大人も相手にしていきたい。最近は花街の方も敷居を下げようと努力している。もっと花街の文化を知ってもらおうとしている。ただ、なかなか接するきっかけというのはあるもんやない。だから、うちの仕事はその間をつなぐ事やと思う。それから、僕はもっとみんなに京都の伝統文化に触れてもらいたい。ただ、そのためには、旅行は自分で組み立ててくる必要があると思う。例えば、京都の観光地一つ見るのでも、ちょっと勉強しているのとしてないのとでは面白さがまったく違う。
Q、勉強のポイントは何でしょうか?
平安京からの歴史はざっと覚えておいてもらうといい。後は寺の宗旨・宗派がわかるようにしていると面白いです。最終的には僕は、人を連れて行ったり舞妓を紹介したりと言う観光業だけではなく、歴史自体を語って聞かせる歴史の語り部になりたいなと。
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