真剣な会話

いい、わるいの基準って、自分が作るべきもののはず。[ nokiro‐art‐net ]代表 佐藤淳さん

Q. 最近、手作り品の良さが見直されてきていますが、まだまだ生活に根付くところまではいっていないような気がします。

「これがいい」という宣伝に惑わされて、ついつい買ってしまうという消費をしていますよね。
でも、いい、わるいの基準って、本来は自分が作るべきものだと思っているんです。自分がいいと思うものを買う、わるいと思うものは買わない。心のままの直感でいいと思うんです。

僕は、世界にたった1人でもピンと来てくださった方がいて、買ってくださるものを紹介していければいいなと考えています。

Q.nokiro‐art‐netの活動コンセプトの根本的な部分ですね。

大量に作ってそれをさばいていこうという発想ではなくて、全ての始まりは、「人は何が心地いいと考えるのか」、「求められているものはいったい何か」ということから始まっているんです。「一つからでもオーダーメイド」というのも自然と出てきました。

時代によって表層は変化するけれど、本質は変わらないはずだということをずっと信じています。木の温かさ、あかりのぬくもり、うつわの質感。手作り品には、感動させる力強さがあるんです。

今の時代にだけ通じる「いいもの」ではなくて、何十年後も人の心を動かすような、そんな品物を紹介していきたいですね。心が動いて買ったものは、エコだなんだと言われなくても、大事に長く使おうって自分から思えるんです。作り手にとってみれば、長く愛してもらうことほど幸せなことはないですからね。自分の気持ちで選んだものに囲まれることが、豊かな暮らしなのではないかなと思います。

Q.京都にいると、自ずとものを見る目が長いスパンになるというか、中長期でものを考えるのに適した街だなと感じることがあります。

確かにそうですね。僕自身、京都は憧れの街でした。実際に仕事をしていて思うのは、確かに新参者には厳しい街だけれど、ある程度はほっておいてくれるというか、容認してくれる部分があるなということです。他者を否定せず、敬意を持つ姿勢がある。それがすごく大人だなと思うし、やりやすいと感じます。知らしめようとガツガツするのではなく、興味があったらおいでなさい、という姿勢。僕たちも見習って、想いや理念を自分たちの世界、空間に落とし込んでいけたらいいなと思っています。

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