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Q、高価なブリキのオモチャも沢山ありますが、どうやって集めたのですか?
リサイクルの店をしている時、ブリキのオモチャが将来自分にとって大事なものになると予感していたんです。「ブリキのオモチャのブームが来る」という意味ではなくて、「オモチャは、僕にとっていつの日か夢を実現するための大切な材料になる」ということです。
仕事をしていると、家財道具一式を買い取ってくることもあります。そうすると当然、家具や電化製品にまじって、ブリキのオモチャなんかがけっこうあるんです。その当時は、ブリキのオモチャのブームではないから、みんな全然評価していなかった。だから、「これ持って帰りますわ」って言うと「持って帰ってちょうだい」ってなる。それをダンボール箱に入れて倉庫に積んでおいて、時間がある時に箱からだして拭いたり、欠けているタイヤをつけたりしていたんです。そんな感じで、15000点のコレクションの中にはリサイクルの仕事の中で集めたものもあります。
それ以外の方法でも、オモチャを収集しています。決して、お金で買い取るばかりではありません。私のコレクションの中で、特に貴重なのが「グロッサー・メルセデス770K」のブリキのオモチャです。このオモチャは、世界に3台しか現存しないと言われています。また本物の車の方も、ドイツのヒットラーが愛用したベンツとして有名です。世界に3台しかないこのブリキのオモチャを、僕は3台ともパーフェクトに所有しています。もちろん、館内でも展示しています。ヒットラーの人形を乗せて展示しているのが、ブラックの「グロッサー・メルセデス770K」です。その横のベンツが、ブルーブラックという色のもう一つの「グロッサー・メルセデス770K」。あともう一つのイエローブルーという色のものが、別の所に置いています。
実はこの3つは、リサイクルの時に見つけたんでもなければ、お金を出して買ったわけでもないんです。私のことを知る海外の方が、寄付してくれたのです。ちょっと大袈裟ですけど、僕がメルセデスベンツのオモチャのコレクターということは、世界のオモチャに関わる人はほとんど知っています。なぜ知っているのかというと、私が『ブリキのおもちゃ博物館』というオモチャの写真集を出しているからなんです。当時としては斬新な本だったみたいで、東京の八重洲のブックセンターでも「ベタ積み」と言って、表紙がよく見えるすごくいい場所で売ってもらえました。さらに、この本は日本だけでなく海外でも販売されたんです。ですから、海外のコレクターの人たちも「日本の京都には、高山というメルセデスベンツのコレクターがいる」って知っているんですよ。
「グロッサー・メルセデス770K」のブラックは、アメリカの元パイロットのご老人が持っていました。その方が、たまたま僕の本を買って「自分もメルセデスを持っている」と連絡をくれたんです。元パイロットの彼が、なぜベンツのオモチャを持っていて、なぜそれを売ろうとしたかというと、ちょっとしたエピソードがあります。彼がベンツのオモチャを買ってもらったのが学生の頃だそうです。その頃から彼はパイロット志望だったと言います。ちょっと専門的な話になりますが、ベンツのシンボルマークの「スリーポインテッドスター」というのは、陸海空の3つを指しているんです。現実に、ベンツのエンジンっていうのは飛行機のエンジンにもなっている。そのぐらいメルセデスベンツのエンジンはすごい。そのエンジンの乗っている飛行機のパイロットになりたくて、彼は一生懸命勉強をしたわけです。お父さんが買ってくれた「グロッサー・メルセデス770K」が、夢を達成するための神様みたいなものになり、そして、彼は現実にパイロットになれたのです。この「オモチャが夢を達成するための神さまのようになった」という部分が、僕とすごく似ている。だから、「そこまでメルセデスにこだわっているんだったら」ということで、プレゼントしていただいたんです。これはもう、お金の問題じゃないですね。
あとの2つも、同じようにプレゼントしてもらったんです。その人たちも外国の方です。外国の方はビジネスが基本と言われますが、全てがビジネスというわけではなくて、割と情にもろいところもあってね。ブルーブラックの方は、「高山さんのメルセデスベンツのコレクションに、俺も偉大なものを協力したい」って言ってプレゼントしてくれたんです。イエローブルーもたまたまブルーブラックを持っている方と友人で、「お前もミスター高山にこれをプレゼントしてあげなさい。それはすごいことだから」と言ってくれたんです。結局3台ともプレゼントしてくれたわけです。
Q、ベンツ以外にも思い入れのあるオモチャはありますか?
メルセデスベンツではないですが、こちらにあるブリキのオモチャで貴重なのが、昭和天皇が幼少の頃に遊ばれたものです。それがなぜ、ここにあるか。昭和天皇は、幼少の頃、京都御所にお住いでした。近くに住んでいる方々が天皇の御付として御世話をしていた。当然、まだ子供ですからオモチャを買ってもらって遊んでいました。いらなくなると、払い下げになるんです。御付の人が、もらって家宝として置いてあった。その人が、博物館に来て「うちに置いとくよりも、ここに飾っていただいて、館長さんに機会があるごとに説明されたほうが、いいかと思います」そう言って、これも寄付してくれたんです。もう、「売った、買った」の世界じゃないんです。ブリキのオモチャを譲ってくれた人達も、お金が欲しいんじゃない。自分の愛したブリキのオモチャを後世に残したいんです。
卑しくもブリキのオモチャで大儲けしてやろうとか、そういう商売っ気を私は持っていません。「高山という男は大したことはしてないけど、ブリキのオモチャだけは後世に15000点も貴重なものを残した」そう、みなさんに思っていただきたい。そういう使命感、義務感があるんです。
もちろん、ブリキのオモチャ以外にも色んなオモチャがあります。GIジョーもあれば、マジンガ−Zやキン肉マン、バービー人形、ピカチュウも置いあります。そういうものは私が見てもそんなに感動はしないけど、子供達にすると「おー」って声を上げてくれる。時には、親子連れでくることもある。見ていると「お父さんは、昔これで遊んでいたんや」「この人形でオママゴトをした」とか親子の対話が始まっている。私の持っているオモチャやお人形を介して親子の間で会話が誕生する。ある意味では「私もいいことしているんやな」と思えますね。
[ブリキのおもちゃ博物館]
京都市下京区四条堀川東入ル 朝日生命ビル前
TEL:075-223-2146 FAX:075-223-2147
10:00AM〜6:00PM
日祝休(年末年始休)
入場料 500円(小学生300円、園児100円)
※30名様以上で団体割引(50円引き) |
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