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おのぞみドットコム真剣な会話>聴風館造園研究所所長(造園設計 施工 寸庭) 聴風館道場竹内流古武道師範 小野 陽太郎さん
真剣な会話
小野 陽太郎さん

Q、仕事をしていく上で大切にしていることとは何でしょうか?

最近は、目で見えるものばかりに価値がおかれたり、何でも理屈で説明しようとしたりすることが多いようですが、私は物事の語られない、見えない部分こそ大切だと思っています。ですから、心を研ぎ澄ましていくこと、自然と一体となるということが、この庭師という職業の基本だと思います。

鳥が鳴く声に耳をすませる、毛虫が葉の上を動いていることに目をやる、苔が日に照らされて色が変わっていることに気づく。自然は刻々と変わっていくもので、1つとして同じ姿のままのものはありません。だあらゆる感覚で感じることが大切です。

それに、美しい庭とは、理屈で説明することが出来ないものです。私の造った庭を見て、足を踏み入れて、言葉で上手く説明できなくとも何かを感じてくれる人がいると、とても嬉しく思います。こうした表現することの喜びがあるからこそ、私はこの仕事が好きなんです。


Q、「表現する喜び」とは表現者である自分だけでなく、その表現を理解する受け手がいて、はじめて感じることの出来るものだと思いますが…

表現する喜びとは、人間の本性の中にあるものじゃないかな。例えば、言葉が通じない人とも身振り、手振りを通して自分の気持ちを伝えることができたら嬉しいでしょう? 自分の表現が他の人に受け入れられた時、お金もうけとは違ったところで嬉しく思います。じゃあ、私は庭師としてどうやって表現していくのかというと、まずは注文主である施主(せしゅ)の思いを読みとることから始まります。

お金と空間を与えてくれる施主が心の中で描いている風景とはどんなものだろうか。幼い頃に海の近くで過ごした思い出のある人は海を、山で過ごした思い出のある人は山をイメージしているかもしれません。幼い頃に自然とふれあった経験が、やはり大人になっても影響してくるのだと私は思います。

私の原風景は、この比叡山から如意ヶ岳らの東山連峰を見晴らすことのできるこの山です。私は子ども頃からずっと山を見て過ごしてきました。それも連邦の山の端を。まさにお山の大将ですよね(笑)でも、この山での生活、山の上から見下ろして来た目というものが庭師という仕事に通じるものがあるように感じます。

山から見下ろす目、つまり俯瞰(ふかん)の姿勢こそが庭を造る時に必要なのです。つまり、近づいて見る目と、遠くからなぞらえるようにして見る目の二つで、庭を捉えていくのです。広い宇宙から小さな地球を見るように、時に庭という限られた空間を見下ろす姿勢を持ち、庭を天地の姿として捉えて、小さな庭の中に広い宇宙の風韻(風の響き)を表現していきたいのです。



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小野 陽太郎さん
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