 |
 |
Q、お弟子さんを含め、これから自分の後に続く人たちに何を教えたいと思いますか?
宮本武蔵の言葉に「目えざる所を悟りて知る」というものがあります。彼は、武道家として知られていますが、晩年は絵画や造園などに傾倒していったと言います。
私は庭師の他に、40年間武道をやってきました。今は竹内流古武道の16代師範となり、これまでに280名の弟子が私のところへ入門してきました。こうした今の私があるのは、先代であった師範が私に色々なことを教えてくれたからです。それに15代までの師範のうち1人でも欠けていたら、今の私には伝わっていないと思うのです。
昔は技芸でも職でも、目上の人から「技を盗んでやろう」という意気込みでやってきたのに対し、今の人は学ぶことの尊さを分かっていないのではないでしょうか。私もはじめは技ばかりを教えていましたが、時が経つにつれて武蔵の言った「目えざる所を悟りて知る」の言葉の意味の深さに気づいていきました。「見えている所からでなく、見えない所から何を学びうるか」それに気がつく方法、つまり技術でなくて技術を習得する心を教えようと思ったのです。私は心を通して技を、また技を通して心を弟子に伝えていきます。こうした精神を身につけるには、些細な変化にも気づくような日常生活での心がけが大切です。
武道で大切なことは、体感することです。これは、相手との距離の置き方を視覚だけで捉えるのではなく、あらゆる感覚を通じて捉え、すぐに応じるということです。私は庭師として自然相手に表現していく根本の心の部分を、武道を通して感じているのです。
「自分は他の庭師と違うな」と感じ始めたのは50歳になってくらいからです。武道と庭師との具体的、直接的な結びつきは分からないけれど、同じことを繰り返していくうちに気づくことができたのです。だから私は、造園の弟子や息子にも武道をすすめています。
伝統を大切にしながらも、その伝統の中から新しいものを創作し続けること。それが文化というものじゃないでしょうか。
|
|
 |
|

|
|
 |