真剣な会話
一連の騒動の中、新しく立ち上がった「信三郎帆布」。長い間、一澤帆布の現場の大将としてかばん作りに関わってきた彼は、いまどんなことを考えているのか。愛されるブランドはどのようにして作られるのか。そして次々と発売される新色や新柄は、変化なのか進化なのか。
お話をお伺いしてきました
Q. 一連の経過は予想外でしたか
実際、予想外やったねえ。なんで裁判があんな判決になるんやろなぁとは思ったね。長い時間かけて難攻不落の城をつくったと思ったら、なぜかあっさり無血開城することになってしもたって感じやわな。
Q. 25年間にわたって、エネルギーを注いで育てられたブランドが、身内とはいえ別の人の手に渡ってしまうことに対して、どんな気分だったんでしょうか
もちろん不安もあったし、どうなるんやろって考え込むこともあったけど、「過去はもう捨てよう、あえてこのタイミングで挑戦していこう」と吹っ切れた感じやな。もちろんそれには、社員全員がついて来てくれたこととお客さんの励ましとか、仕入先の応援があったわけやけど。
中身の全く変わってしまった一澤帆布からは、今はむしろどんどん遠ざかろうとしてるね。どんどん。
Q. そうは言っても開店前までは、自信が持ちきれなかったのではないですか
そりゃね、たまに眠れない日もあったけどね。いや、なかったかな(笑) ゆっくり始めて、またゆっくり大きくしていったらええわと思ってたけどね。初日に4千人ものお客さんが来てくれた時は、本当に感激したね。[次のページへ]

