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おのぞみドットコム真剣な会話>[白バラ]店長 木村 義一さん(2)
真剣な会話
木村義一さん

Q、曲球をやりはじめたのは、いつごろからですか?

プロになってすぐです。それまではゲーム、つまり勝った負けたのトーナメントに出ていました。プロになっても、トーナメントには出ていましたけど、それよりも人に見せて、感動してもらえるにはどうすればいいかと考えました。ビリヤードは、とても奥が深いんです。トーナメントも時々テレビで放送していますけど、ビリヤードを知らない人が見てもあまり面白くない。ある場面があっても、それがボールをポケットに落とす状況なのか、それともディフェンスのために相手が打ちにくい場所にコントロールする状況なのか、素人にはわからない。「ボールをポケットに入れればいいんだ」ぐらいのレベルの人では、白球のコントロールの必要性とか難しさとか理解しにくいですから。またゲームだと、将棋のようにちょっと時間を使って、どうショットをするか考えたりもします。攻撃に行こうか守備にまわろうか、と考えているわけです。その間は動きがないわけです。将棋を知らない人が、将棋の番組を見ても面白くないように、ほとんどの人が退屈してしまいます。

そこで、ビリヤードを全然知らない人にでも、感動してもらえるにはどうすればいいかを考えたわけです。つまりスケートでいえば、競争じゃなくてフィギアスケート。水泳でいえば、競泳じゃなくてシンクロ。「見せるビリヤード」ができないかと思って考えついたのが曲球です。曲球というのは、色んな不思議な動きをするから誰がみても分かりやすい。知らない人にも、興味を持ってもらえるんじゃないかと思って始めました。


Q、200種類以上の曲球を考えついたと聞きましたが、最初に考えついた技は何ですか?

最初に考えたのは、ハーフムーンという5個のボールを半円形に並べてショットする曲球です。ヒントになったのは、「バタフライ」という曲球です。1910年代くらいにアメリカで考案されたもので、6個のボールが6つのポケットに1つずつ入るやつです。それが、曲玉のショットでは一番有名ですね。そういうのは、誰でも真似しています。けど、僕のは完全なオリジナル。最初は面白半分で、つまり遊び心でやりだしたんです。一つができれば、こうもできないかな、あれもできないかって、色々やっているうちにボールの物理法則、力学的な法則がわかってきたんです。それが分かれば、誰でも作れますね。


Q、一番有名なショットは何ですか?

私の名前がついた「木村ショット」というのが、一番有名です。コーラ瓶の上に球を置いて、その球の上にさらに球を置くというものです。似たようなものとして、瓶の上や木の筒の上にボールを乗せるというのは以前にもありました。けど、瓶の上に2つのボールを積み重ねたのは僕が初めてですね。不安定なボールの上にボールを置くわけですから、それだけでも驚いてくれるのですが、やっぱり物足りない。白球をショットして下の球に当てると、ダルマ落しのように下の球だけが落ちて、上の球が瓶のキャップの上に乗るのではないかと思ったんですよ。

最初は1個だけおいて、それにあてる稽古です。コントロールの練習です。今では一発で成功する確率は、3回に2回ぐらいですかね。使うキューによっても違いますし、温度や湿度にも影響します。また、ボールを磨いているかどうか、手垢がついているかどうかで微妙に球の跳ねかたや動きが変るんです。しかも、テーブルによっては、弾む高さが変わってきます。とにかく難しいショットです。


Q、曲球が試合に役に立ったことはありますか?


試合で役にたったことはほとんどありませんね(笑)。試合やトーナメントでは、精神力の持続が一番大事なんですよ。スタミナ的なものもあります。プロの場合は、1ゲームに2時間ぐらいかかる。その間、精神力が持続しないといけないわけです。けど曲球は違う。精神力の持続ではなく、集中力です。一発勝負の曲球では、集中力や瞬発力が重要になってきます。 


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木村義一さん
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