真剣な会話

コツは「普通のことを普通にする」ということ以外にない [デザイン会社「socketdesign」]社長 以西裕介さん

はじめは西木屋町で働く無名のバーテンダー。4年半後、木屋町のおもろいバーテンダーといえば…という存在に。2002年にカフェバー「rhythm(リズム)」をオープンし、2003年にデザイン会社「SOCKETdesign.」を設立、2004年には木屋町四条に会社事務所を構えるとともに2店舗目の飲食店「mix」を立ち上げた。めまぐるしいスピードで変化し、進んでいく以西裕介氏の考えとはどのようなものなのか。

Q. 今までの経緯を教えてください

もともと起業したいっていう思いが子供の頃からあったんです。実家が自営業をしていたからなのかな。企業に勤めて給料を貰うっていうより、自分で何か始めることのほうが僕には自然だった。
ただ、飲食業っていうのは全然頭になかったかなぁ。この業界に深く入ることになったのは、やっぱり木田豊さんという人の存在が大きいと思います。

Q.木田さんといえば、「Ace cafe」をはじめとして京都にたくさんのお店を展開されている有名人ですよね

木田さんと出会ったのは、僕が20歳の時に彼の店「Bollocks paradium」で働くことになったことがきっかけ。彼は22歳にして既にすごい人気のバーテンダーで。僕が働き始めた頃は、ほとんどのお客さんが彼を目当てに来られていました。それがすごく悔しかった。

そんなに年も変わらないのに、どうしてこの人はこんなに人気があるんだろうって思っていたときに、ある一つのことを教わりました。それは、「普通のことを普通にするのが大切」ってことなんです。例えば「お客さんのことを覚えている」という、バーテンダーにとって当たり前のことですら、僕は徹底できていなかった。お客さんの名前、飲んだお酒、座った席、タバコの銘柄、前回話した内容をきっちり覚える。そうすると、やっぱりお客さんに喜んでもらえるんです。タバコが切れた時に自分の吸っている銘柄がスッと出てきたらちょっといいでしょう。バーテンダーの人気を分けるのは、実はそういう地道な努力をしてるかどうかなんだってことがわかったんです。

Q.そのほかに働く上で意識していることはありますか

「真剣に遊んだらそれが仕事になる」ということですね。お客さんを笑わせたり楽しませたりするために、一生懸命いろんなことをやりました。カラダ張って、本当に一生懸命に。必死にやってたら、京都っていう狭い街では、勝手に名前が売れていくんです。僕にとって、お客さんと楽しく話すことが遊びだった。真剣に遊べば遊ぶほど名前は売れて、自然に売り上げも上がっていきました。まさに、遊びが仕事になったというわけです。要は、なんでも一生懸命やっていけば仕事になるんだということ、そして、やり続けるためにはまず自分が楽しまなければならないってことですね。[次のページへ]