真剣な会話
Q. 舞台では、どんなことを気にして演奏されてますか?
囃子方はあくまでBGMだから、目立ってはいけない。人としての存在感は出さずに、でも音は存在している。
それが「最善の演奏」です。
基本的にはリハーサルは1回のみ。舞台は「一期一会」。だから、演者を見て、他の囃子方の音も聞いて舞台全体の調和を考えながら演奏しています。
能は、ただ観ているだけでは、理解できない。観る人それぞれにどんな場面なのか想像してもらいながら観てもらうもの。それは囃子方においても同じことなのです。指針はあっても口伝のものなので、やはり自分で場面を、心情を想像して演奏しています。だから抽象的な世界を表現するのは難しいですね。
お客様と私とが想像するイメージは違うかもしれない。でも、自分で思い通りの演奏ができたときは満足ですね。
Q. 現在の目標を教えてください。
まずは、自分が思うとおりの演奏がもっとできるようになることです。
この世界には「100点」という概念はありません。今日の100点は明日の100点ではないのです。毎日毎日、進歩していかなければならない。だから一生、これが「完璧な演奏」というものはありえない。
譜を間違わずに演奏するのは当たり前のこと、しかし自分の表現方法、舞台の調和を考えて会心の一撃をもっともっと打てるようになりたいですね。
「町家de鼓」は、現在25人の生徒さんがおられます。今まで小鼓を習われる方は、元々謡(うたい)や仕舞を稽古されていた方が多かったので、この教室をもっと一般にアピールしていきたいです。
和楽器に興味をもっている人に、小鼓を実際に打ってもらい、能の面白さを知ってもらいたい。さらには日本文化にも興味をもってもらえたらいいと思います。
今年4月に独立させていただきましたので、各地での教室の開催を考えております。日本の伝統文化を伝える「案内役」をつとめることができれば、と思っています。
- 古田知英先生
- (社)能楽協会所属。
- 幸流小鼓方職分。人間国宝の曽和博朗内弟子。本年4月独立。
- 現在、能舞台にて囃子方として活躍されるかたわら、株式会社庵が提供する
- 西押小路町の町家にて「町家de鼓」の教室を開き、一般に小鼓を教えておられます。
- http://www.yo-pon.net/

