2008年4月24日

狩野永徳ってどんな人?その2

前回は狩野永徳がどんな人なのかということを話しましたが、今回は、「永徳のどんなと... [ 続きを読む ]

前回は狩野永徳がどんな人なのかということを話しましたが、
今回は、「永徳のどんなところが天下人に受けたのか」ということや
「現代人にこれほど受けるのはなぜか」ということ、
また、寺などで常時観られる作品について紹介します。

まず、「永徳のどんなところが天下人に受けたのか」。
それは、壮大、豪快、華麗な作風にあると考えます。
大胆な構図や金箔と鮮やかな色遣いが天下人の美意識や
征服欲(ゴージャスな作品を持ちたいという)を満足させたのではないでしょうか。

そして、「現代人がなぜここまで注目したのか」。
上で述べた、豪快な作品を観てみたいという欲求のほかに
下の2つの理由が考えられます。

・ミーハー心
ブランド好きが多い日本人。
織田信長や豊臣秀吉に認められ、かわいがられたという
お墨付きの絵師の作品がどんなものか見てみたいという気持ちが少なからず湧き上がってくるのだと思います。

・作品の希少性
永徳は安土城、聚楽第、伏見城、大阪城など数々の建築の障壁画などを手がけますが、
戦火などにまきこまれ、その大半が失われてしまいました。
残った数少ない作品が一堂に介した昨年秋に京都国立博物館で行われた特別展「狩野永徳」は
必然的に注目されたのです。

さて、特別展「狩野永徳」を観逃してしまったという方へ。
今からでも観られる永徳の作品が京都にあります。

ひとつは、南禅寺。
大方丈の襖の絵を狩野派が手がけ、その中に永徳の作品もあります。


南禅寺の境内の奥に位置する方丈。


枯山水庭園の奥に見える廊下から大方丈内の襖をのぞき見ることができます。
ちなみにこの庭園は小堀遠州作。

襖に描かれた永徳の作品は「群仙図」や「二十四孝図」など。

中国の仙人を題材にした「群仙図」は金色の地に
ガマガエルを使って妖術を行おうとする仙人あり、
口から魂を吹き出す仙人あり、
鶴に乗って飛び立つ仙人ありと
バラエティ豊かな仙人の姿が描かれています。

近寄って鑑賞することはできませんが、ガラスケース越しでないのがうれしいところ。

彩色の剥落が進んでいるのが残念ですが、
当時、もっと華やかだったであろう大方丈の情景と
それらを描ききり、満足げに眺めた(であろう)永徳とを思い浮かべて楽しむことができます。

その他にも大徳寺の塔頭・聚光院(じゅこういん)には
障壁画「竹虎遊猿図(ちくこゆうえんず)」、「花鳥図(かちょうず)」など数々の作品がありますが、通常は非公開。
通年、年に一度、2ヶ月間程度行われる非公開文化財特別公開の時期を狙いましょう。

2008年4月18日

狩野永徳ってどんな人?

メリとピエールは友達同士。ふたりともアートに興味がありますが、最近気になるのは日... [ 続きを読む ]

メリとピエールは友達同士。
ふたりともアートに興味がありますが、最近気になるのは日本の絵師のこと。
今日は、昨年秋に展覧会が開催されて話題になった狩野永徳(かのう えいとく)について話しました。

【メリとピエールのプロフィール】
・メリ
日本生まれ。小さい頃から建築やデザインに興味を持ち、全国にある伝統的な町並みについて研究している大学生。
伝統的な建築・文化から現代アートまで、幅広く興味を持つ。

・ピエール
フランス生まれ。日本文化に興味があり、留学生として京都に滞在中。日本の美術についてはまだまだ初心者。メリとは同じ研究室の同級生。


ピエール:
昨年(2007年)秋に京都国立博物館で開催された狩野永徳展を観に行ってきたよ。
展覧会を観るために開館前から長蛇の列ができていたことにもびっくりしたけれど、
作品が今でも色鮮やかに残っていることにも驚いたよ。あれはなぜ?

メリ:
あの展覧会はすごい混雑ぶりだったよね。入場者数は1日平均で8000人近くにものぼったそう。

さて、作品の鮮やかさについては保存の仕方による部分もあるのだけれど、
大きな要素として考えられるのは、永徳が極上の絵の具を使っていたから。
足利家、織田信長、豊臣秀吉という天下人がパトロンだったため、
その当時手に入れられる限りの最高の絵の具で描くことができたの。

ピエール:
当時の最高指導者からの注文を受けていたことといい、現代の展覧会の動員数といい、
狩野永徳っていうのはすごい人なんだね。興味がわいてきたよ。
今回は永徳についての話が聞きたいな。

メリ:
じゃあ、永徳の所属していた狩野派についてまず紹介するね。
狩野派は、室町時代の後期から明治時代の初期までのおよそ400年もの間、日本画壇の中心にいた画家集団だよ。

ピエール:
400年も続いたっていうのはすごいな。
天下人は替われども狩野派は変わらず。
きっと、政治的な立ち回りが巧みな一派だったんだな。

メリ:
それはあるかも。あとは、常時数十名の弟子がいたこともあって
依頼主のどんな注文にも応じられるレパートリーの広さや納期の短さが喜ばれたともいわれているよ。



ピエール:
永徳は狩野派の4代目。
室町時代から安土桃山時代にかけて、
天文12年~天正18年(1543~90)の48年を生きたんだよね。

おじいちゃん(祖父)は室町幕府の御用をつとめ(幕府から絵の注文を受け)、狩野派の地位を高めた狩野元信。

メリ:
その通り。
永徳は幼い頃から元信に英才教育をほどこされ、狩野派を率いる存在に。
でもここで注目してほしいのは、永徳は元信の三男・松栄の息子だってこと。



三男に家督(家系の中でいちばん偉い地位)を譲るというのは当時の慣例からすると異常なこと。
しかし、そのことに誰かが反対をしたという記録は残っていないそう。

ピエール
永徳に狩野家の将来を託すことに一族の異論はなかったということだね。

元信(おじいちゃん)が亡くなったのは永徳17歳のとき。
一派の期待を一身に受けるほど、永徳の才能は幼い時から飛びぬけたものがあったんだ。

メリ:
永徳はその才能を生かして、
織田信長の安土城、豊臣秀吉の聚楽第(じゅらくだい※京都に作った大邸宅)、大阪城などの障壁画を次々に手がけたんだよ。
しかし、それらの作品は戦火などにまきこまれ、大半が失われてしまったんだ。

ピエール:
残念なことだね。

メリ:
じゃあ、次回は「永徳のどんなところが天下人に受けたのか」ということや「現代人にこれほど受けるのはなぜか」ということ、
また、寺などで常時観られる作品について紹介するね。

ピエール:
楽しみにしてるね。

(Text by 冬木 明里)

2008年4月10日

ギャラリーでお花見!?「Regula Maria Muller展」

私の好きなギャラリーを紹介します。四条河原町を南へ100m行ったところの東側に... [ 続きを読む ]

私の好きなギャラリーを紹介します。

四条河原町を南へ100m行ったところの東側に、
趣のある白い石造りの洋館(寿ビル)があります。
その5Fに入っている、現代美術画廊「ギャラリーギャラリー」。

好きな理由は大きく2つあります。
1つは、天井が高く、雰囲気のある白塗りの部屋が
展覧会が変わる度に印象の違う魅力的な空間になること。

現在行われている展覧会のギャラリー風景はまた素敵なんです。

出展者はオランダからやってきたアーティスト・
Regula Maria Muller(レグラ マリア ミュレー)さん。

スイスで生まれ、20代でオランダへ移り住んだレグラさん。
テキスタイルデザインやモニュメントアートなどを学び
オランダ・スイスを中心に、数々の個展を開いています。

今回はピースや布のオブジェによる空間構成。

01.jpg 
花や木の葉をイメージさせるような可憐な形をしたフェルトの作品が
天井から吊るされます。
ギャラリー内に清楚なお花が咲いたようです。

02.jpg

光の加減によって木陰のような影が。
現代的な空間の中で自然の豊かさを感じます。

03.jpg

 
白いハンカチにマリアさんが撮影した写真がプリントされています。
桜を写した作品もいくつか見られました。なんと!オランダの桜だそう。

近寄って見るとわかるのですが、
小さなビーズが無数に縫い付けられていたり、
細かい刺繍が入っていたり、
どの作品もとても手がこんでいるんです。

ギャラリーギャラリーには2つの空間があり、
別々の作家の展覧会が開かれていることもあるのですが、
今回は2つの部屋ともレグラさんの作品が展示されています。


もう1つの部屋の作品です。

04.jpg

赤いビーズでバラのモチーフがかたどられた白い布などで
ぬくもりを感じさせる空間を構成しています。
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最後になりましたが、
私がギャラリーギャラリーを好きなもう1つの理由、
それは、そこに集まるのがあたたかく、楽しい人たちばかりだということ。

4月5日夕方からはレセプションパーティが行われ、
レグラさんはもちろん、ギャラリーを主宰する川嶋啓子さん、
作家、学芸員、編集者などが大勢集まり、楽しい時間が流れました。

今回の展覧会は4月19日まで。
オアシスのような空間、
ギャラリーギャラリーに一度訪れてみてはいかがでしょうか?
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Regula Maria Muller/

レグラ マリア ミュレー個展

会期:2008年4月5日(土)~4月19日(土)
11時~19時
(展覧会期間中4月10日(木)・17日(木)休み)
会場・GALLERYGALLERY
観覧料:無料

場所:京都市下京区四条河原町下ル寿ビル5F
アクセス:阪急「河原町駅」下車
(四条河原町より100m南へ行った東側)

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(Text by 冬木 明里)

 

冬木が4月1日に行った

ナカヒガシ ユウコさんの展覧会(@京都国立近代美術館)記事はこちら↓

●コスチュームの可能性とは?『ファッションを考える展覧会』

http://www.onozomi.com/knews/2008/04/post-32.php