2008年2月20日

京の甘味は

ダイエットに肌荒れと、散々な日々ですが
ちゃんといいこともあります。

それは今週の月曜日。
雑誌の物件ネタを探しに行くということで
昼間の祇園に行ってまいりました。

京都で働いている人にとって、
昼間の祇園というのは非常に縁遠いものです。

平日はそもそも働いているし
休日は「何で休みの日にあんな混むとこ行かなあかんねん」
となるのです。

なので、私も陽の高いうちに
四条大橋を東へ渡るなんて、とっても久ぶりのこと。

この機を逃してなるものかと
行ってきました、話題の甘味処「ぎおん徳屋」。

知っていますか?
知っているでしょう?

本わらび100%使用という
このご時世になかなか食べられないわらび餅を
出してくれるお店です。

わらび粉はわらびの根っこから
でんぷんを取り出したものというのはご存じの方が
多いかと思います。

あれは、本葛と同じで
手間がかかるわりに、少量しかとれない
ものすごい高級品。

ふだんスーパーや、屋台で買う
お手頃すぎる価格のわらび餅は、
芋やタピオカ由来のでんぷんで作られているんです。

だから、徳屋のわらび餅の
1200円という値段にビビってはいけません。
本物はいつでもそれなりの値段がするものです。(たぶん)

この日、店内の約8割がわらび餅を食べていましたよ。
(やはりみんな旅行マジックで財布の紐が緩んでいるのか!?)

そんな店で、なぜかあんみつを頼む馬鹿者が私です。

値段にビビったわけではなく、そもそも
「ここが、わらび餅で有名って知らなかった」
だけです。

けれど、これはこれで正解でした。

驚いたのは、
お椀には寒天のみが盛られ、
横の小皿に白玉・栗の甘煮・餡が別添えでおいてあること。

ここから伺い知れるのは
寒天に対する自信でしょう。
寒天って、簡単なように見えて実は
おいしく作ろうと思ったら難しいシロモノ。

普通のあんみつに入る寒天より
随分小ぶりな寒天は、硬さもちょうど良い具合でした。
そして、寒天が入るシロップ(でいいの?)が
キレのよいすっきりとした清涼感のあるもので
とても良かったです。

これを味わってほしくて
餡や具を別添えにしているのかもしれません。

和食の花形と言われる吸い物、
汁を飲む前に中の具を崩すことは御法度と言われています。
澄んだ味わいの汁が、そうすることで濁ってしまうからです。

きっと、それと近いことを
ご主人が思っているのではないでしょうか。
考えすぎかもしれませんが。

寒天だけでなく、餡や白玉もそれぞれ
とても丁寧に作られたということがわかる味わいです。

 

下鴨に、澄んだ透明の汁のなかに
ひとつも崩れていない小豆が入った
ぜんざいを出す甘味処があります。

以前、取材でお世話になったとき
それを見て驚いた私に、ご主人はこうおっしゃいました。


「どろっとした田舎ぜんざいも好きなんですよ。
でも、ここは京都です。京都は雅で上品でなくてはならない。
京都で食べるならこういうぜんざいの方がいいと、私は思います」


食事の合間に食べられる甘味。
侮っていましたと、ひれ伏したくなるくらい
大きな言葉でした。


「京都の甘味は、上品で雅でなくてはならない」

徳屋のあんみつにも、
共通するものがちらりと垣間見えた気がします。

ぎおん徳屋
http://giontokuya.jp/

京都市東山区祇園町南側570-127 
11:00~20:00
無休</font>

(Text by Ryoko Horike)
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