2008年2月13日

増田徳兵衛・立春朝搾り




2月4日・立春。
まだ空には月が残る早朝に、伏見の醸造元「増田徳兵衛商店」に行ってきました。

増田徳兵衛商店は「にごり酒」の元祖として全国に名高く
創業300年余の日本で最も古い歴史を持つ蔵元。
今日ここを訪れたのは、立春朝搾りを目当てにしてのこと。

立春朝搾りはその名の通り、立春の出荷に合わせ前日から
もろみを絞り続け、当日の朝に搾り上げたもの。
ひとつひとつ瓶詰めされ、日付の書かれたこの日だけの特別なラベルが貼られます。
蔵元だけでなく、近隣の酒屋さんも手伝いに訪れ、
近隣の神社でお払いを受けた後に各々の店に持ち帰られます。

年に一度しか出回らない、春を迎える立春を祝うためのもので、
2000本のみ生産の幻のお酒でもあります。


では、さっそく写真と共に今日のレポートを簡単に。


ラインに乗って瓶詰めされていく搾ったばかりの清酒たち。
シャンパンのように、小さな気泡が立ちのぼっているのがわかるでしょうか?
この泡こそ搾りたての証。火入れもされていない生原酒です。
生原酒はフレッシュで果物のような甘味と爽やかさが特徴。
きっと春を迎えるのにこれ以上適したものはないですね。


こちらはラベル貼りの風景。
足下からじんじん冷える寒さの中、小さなストーブがひとつだけ。
「お祭りのようなもの」と聞いていたので、
もっと賑やかなものを想像していたのですがとんでもない!
ぴりぴりと張りつめた空気の中、みなさん本当に真剣に作業をしています。
作業をするのは蔵元だけではなく、近郊の酒屋さんも。



こちらではもろみからお酒を漉したあとにできる酒粕を取っているところ。
真っ白な酒粕を丁寧に剥がしていきます。その後すぐにパッキング。
これで粕汁つくったら昇天するほどおいしいんでしょうね・・・。ゴクリ。。


この立春朝搾りは予約販売が中心だというのは先ほども書きましたが、
それは酵母・酵素が生きている生原酒だから。
低温でその働きを抑えているとはいえ発酵が続いているため
時間が経てば経つほど品質が変わっていきます。

だから、お手伝いにきた酒屋さんは今日そのまま店に持ち帰り
予約をしていたお客さんを中心に、ほぼその日のうちに売り切ります。
流通や保存技術が発達した現代では、このアナログ感がとても贅沢なことのように思えます。

今日、とても印象に残ったのは作業をするみなさんの顔つき。
ぴりぴりとした張りつめた空気の中で作業をしているのに
その顔にはどこか高揚したような表情が見てとれて、
みなさん本当にお酒造りが好きで好きでたまらないんだろうなぁ、と感じました。

また、忙しい合間に社員の方や酒米を卸す農家の方などに
お話を伺おうと声をかけると、次から次から面白い話がでてきます。

みなさん語るときにすごく誇らしげな顔をしておられて
自分たちのつくるものに対する自信。
いいものをつくっているという自負。
そういうものをビンビン感じ、
こちらにも熱気が伝わってくるようでした。


去年の漢字は「偽」。
その波は今年も留まることなく、食の安全が声高に叫ばれる昨今です。
けれど、こうして本物をつくることに真摯に向き合う店が
まだちゃんとあるんですね。よかった!


さて、みなさん。
立春朝搾りを楽しめる時間は限られています。
是非急いでお買い求めを!
(買える店は限られていますが、小売り分も少しあるそうです)

増田徳兵衛商店:http://www.tsukinokatsura.co.jp/
日本名門酒会:http://www.meimonshu.jp/
買えるお店のリスト:http://www.meimonshu.jp/modules/xfsection/article.php?articleid=1659

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