2008年7月31日

伝統×アート=∞!? 京都の珍名所!京都極楽堂書店オープン

清水坂に突如現れた「京都極楽堂書店」。

店内に入るとまず目に飛び込んでくるのがこの光景です。

 

極楽堂1.jpg本屋の内装とは思えない朱色の壁に漆黒の柱、そして和服を着て座っている一人の男。

(注:ここはレジです)

 

 

ここ、本当に本屋なんですか?

というわけで聞いてみました。

 

お話を伺ったのは京都造形芸術大学の学生でもある店長の月澤さん。

ご実家は寺だそうで、このレジにおいてある机も家から持ってきたとか。

 

「極楽堂書店は、京都という伝統的な文化と現代アートをミックスして

従来の書店の粋を越えた全く新しい書店で、2008年7月19日にオープンしました。

新しい和を生み出すことで日本屈指の観光名所に風穴をあけたいと思っています。

建物もご覧の通り変わっていますが、人ももちろん一味違います。

ここの店員は変わった人しかいないですよ。

90パーセント悪ノリでやってますからね、ははっ。

基本スタイルは和服ですね。

今度はキセルを取り入れていこうかと思っています。」

と、店長も斬新。

 

極楽堂2.jpg

一階:極楽堂書店

 

極楽堂3.jpg

2階:蜷川実花写真館

 

この奇抜な建物について話を伺うと、

元々蕎麦屋だったビルを元々蕎麦屋だったビルを、

京都造形大学の教授でクリエイティブディレクターでもある後藤繁雄さんがプロデュースし、

デザインユニットgrafの服部滋樹さんと共にリノベーションしたそうです。

2階にはこのプロジェクトに賛同した写真家・蜷川実花さんの写真館もありあります。

「内装はグラフィックデザイナーの永戸鉄也さんが手掛けました。

きらびやかな日本の色である、朱色に金、黒を基調にして、

浮世絵を取り入れたデザインになっています。

また、日本美術にまつわる新刊本や古書はもちろん、

店員が面白いと思った日本文化にまつわるちょっと変わった本をセレクトしています。

自分達のやっている事が、伝統の再評価に繋がるといいですね」

と、熱く語ってくださいました。

 

まだまだオープンしたてで本の種類も少ないですが

これから増やしていく予定なので、

東山周辺に来る際は寄ってみてはいかがでしょうか。

今までにない書店の空間に驚くと共に、

きっと新しい日本文化を発見することができるはずです。

 

住所:〒605-0846京都市東山区五条橋東六丁目541

電話番号:075-561-1666

営業時間 :13:00~19:00
定休日:夏季 水木定休

http://kyobase.com/

 

text by 鈴木晴奈

 

2008年7月 8日

なかなか知れない京都がここにある。「くらしの美術館 冨田屋」。

「あなたは京都の何が好きですか?」

 

私は「良いものは良い!」と断言している町の風習が京都の魅力だと感じています。

例えば、古い町家は素晴らしい趣ですが、維持していくことはそう簡単ではありません。

それでも「良いものは良い!」と断言し、実践する姿勢は京都ならでは。

 

今回はそんな京都の魅力にどっぷりひたれる穴場をご紹介します。

やってきたのは「西陣 くらしの美術館 冨田屋」。

もともと伏見で両替商を営んでいた冨田屋が、呉服問屋として

西陣の現在の場所に移ってきたのは明治18年のこと。

当時の佇まいがそのまま残る町家は国の登録有形文化財に、さらには                 京都市景観重要建造物にも指定されているそうです。

 

出迎えてくださったのは、着物姿がとても美しい十三代目の女将・田中 峰子さん。

田中さんは呉服商を継ぐ傍らで、多くの人に「京の心」を伝えようと

冨田屋を「西陣くらしの美術館」として公開し、また美しい所作などの講習もされています。

 

今回は町家見学・しきたりのお話に加え、着物の着付けとお茶席や和食のマナーを体験してきました。

まずは着物の着付けから。呉服商ということもあり、どれも最高級のシルクの着物。

大きな声では言えませんが、トータルで100万円ほどする着物を着付けていただきました。

着物を着付けていただいた後はいよいよ「京都のしきたり」についてお話を伺います。

お話の内容は京都で昔から行われてきた神仏事についてや、

無病息災・家内安全のための決まり事など、昔の人が

どのような気持ちや願いを込めて生活してきたか…が伝わってくるお話でした。

「しきたり」のお話しは堅苦しくなく、話を聞いているうちに、

どこか優しくなっていく自分がいました。着物を着て町家の「気」を体で感じているうちに、

自分の奥で眠っていた「日本人の心」が目を覚めたのでしょうか。

 

お話のあとは茶室「楽寿の間」へと案内されます。

もう気分はすっかり大和撫子!?

生まれて初めてキチンとした作法でお茶をいただく私にも

優しく親切に所作を教えていただきました。

 

季節の和菓子とお茶を頂いた後は、昔に能が舞われた離れ座敷に案内されます。

ここでまず驚いたのは畳いっぱいに敷かれた「あじろ」と「葦簀障子」。

まるで百人一首の世界に自分がタイムスリップしたよう。

そして100年前からある立派な螺鈿細工の机で、点心弁当をいただきました。

お弁当箱も100年前から大切に使用されてきたものと聞いてびっくり。その他にも歴代の主人がコレクションした調度品があちこちに飾られ、高貴な雰囲気にうっとり。

 

味付けもシンプルで野菜は旬のものばかりが並びます。作られる段階から食べる人の健康を願って作られる「おもてなし」の精神を感じました。

 

一通り体験を終えたあと、どこか気分がスッキリしていました。

いつも時間に追われてばかりの生活で、忙しさのあまりコンビニ弁当に頼らなくてはならない時もしばしば。でもたまには手の込んだお料理屋や町家、また昔の生活に触れることで心を豊かにしたいもの。

今日冨田屋を訪れて、京都はこれからも変わらぬ姿でいて欲しいと願うと同時に、また一段と京都の虜になった私でした。冨田屋は一度は訪れる場所ですよ!遠方からのお客さんを案内するときにもおすすめです。

 

その他に、体験できるエコ教室も必見ですよ。

浪費型の社会となってしまった現代でよく聞く「おばあちゃんの知恵袋」は、おばあちゃんじゃなくとも昔は「当たり前」とされてきた事ばかり。そんな忘れられた知恵を冨田屋で伝授してもらいましょう。内容は着古した着物のリメイク法、捨てがちな大根の葉っぱを使った料理法、新聞紙を使った掃除の仕方…など。どれも興味深い内容です。

 

 

「くらしの美術館 冨田屋」

京都市上京区大宮通一条上ル

075-432-6701

 

<体験内容>

     町家見学+京のしきたりを学ぶ 2100円(基本プラン)

     お着物体験 4200円(オプション)

     お茶席体験 2100円(オプション)

     ぶぶづけ弁当 3150円~(オプション)

 

<エコ教室・内容>

3回(受講日は要相談)材料費など込みで10500円

 

※全て予約制

http://www.tondaya.co.jp/index.html

 

 

text by 森 愛歩