妙心寺・退蔵院が若手絵師を育成中!
モノクロの枯山水庭園をピンクの桜が彩る春、妙心寺塔頭の退蔵院が新たなプロジェクトを開始した。
かつて幕府や諸大名が御用絵師を抱えたように
本堂のふすま64面を飾る絵を手がけるアーティストを、専属の絵師として3年間かけて育てるという。
退蔵院が専属絵師に課す条件とは、
3年間、寺に住み込み、修行をし、禅について学ぶこと。
30件ほど問い合わせがあったものの、そのハードルの高さに実際に応募してきたのは8人。
そしてその中から選ばれたのが、
今春、京都造形芸術大学の大学院を卒業したばかりの村林由貴さんだ。
小学校の頃から絵を描くのが好きで親に反対されながらも芸術への道を進んできた、不屈の精神の持ち主。
技術もさることながら、「絵で何かを表現したい!」というその情熱こそが、専属絵師として選ばれた理由だ。
大学の4年間では、
先端アートコースという、「よくわからない」(本人談)コースながらも
クラスメイトが作るさまざまなアートに触れながら
自分の理想とする女の子を中心にその周りの世界を描く、ということを主題にしていた。
しかし、大学院へ進んでからは、それまでとまったく別の批評を受ける。
主役である女の子が見る人の視点をさえぎっている、と指導教員から指摘されたのだ。
そこから、彼女の作品からは、あんなにもインパクトを与えていた女の子の姿が消え、
細やかかつ意思の強さを感じる線が印象的なものとなっていく。
彼女の作品を入学時から卒業時まで見くらべると
同一人物が描いたものとは思えないほど、実に見事な変わりぶりが見てとれる。

1170×2709mm, 2008
Acrylic and ink on canvas

530x455mm, 2010
Ink on paper
広く長く、自分が描ける絵の幅を大きくしたい」という彼女の絵への心持ちは、
禅という世界観をどこまで理解でき、表現できるか、という不安はありつつも
このプロジェクトを長い人生の中の一つのきっかけとしたい、という大きな志につながるようだ。
「今は、水墨画で描くということだけ決めていて、
お盆明けくらいから、松山さん(退蔵院 副住職)と相談しながらテーマを決める予定ですが
禅のことを全然知らないので(苦笑)、
描くテーマを決めるためにも、今はお寺で生活をしながら、本を読んで禅のことを学んでいます」。
実際に絵を描き始めるのは秋ごろになり、定期的に制作風景を公開する予定だという。
国宝でもある如拙の「瓢鮎図」、狩野元信作庭の枯山水庭園、中根金作作庭の余香苑など、
すでに退蔵院にある、完成された傑作に囲まれながら、
禅、そして今まで描いていた作品とはまったく違う、
未知の世界に足を踏み入れる彼女が、どんな絵を描くのか今から楽しみだ。
妙心寺塔頭・退蔵院HP↓
http://www.taizoin.com/main.html
退蔵院 松山大耕さんのインタビューはコチラ↓
http://onozomi.com/kaiwa/myoshinji1.html
村林由貴さんのプロフィールや今までの作品はコチラ↓
http://murabayashiyuki.moo.jp/
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