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おのぞみドットコム昭和・平成、音故知新>「サクラチルアウト」
平安京エイリアンvol3
五感すべてをつかって興ずる空間。現代にない、淡々しいものだった。
京都[細見美術館]で、お花見に合わせた電子音楽パーティーが開かれた。その名も「サクラチルアウト」。涼音堂茶舗の春の名物だ。サンクンガーデンではライブを、茶室・古香庵では抹茶と桜八橋が振舞われた…もちろん、電子音楽を流しつつ。

サンクンガーデンには、竹と和紙で作られた色とりどりの京和傘がいっぱい咲いていた。

柄や骨が太く大きな野点傘は、いつもの力強い印象はどこへやら。光が透き通るほど薄く淡い色の和紙でつくられて、サクラチルアウトという名に似合った繊細な印象を受けた。

空まで吹き抜けになったB2階から2Fは、番傘に赤や紫の色鮮やかな和紙を重ねた和傘で燈された。日の落ちた会場に、京和傘が幽玄に浮かび上がった。

流れる様々な電子音楽は、やわらかな光と溶け合うようだった。サクラの枝が風に揺れてサワサワいっている様子を想像したり、たんぽぽとか蝶々が飛んでいるようなやわらかい感触がしたり、やさしい春の光を浴びている時のような現実味のない感じがしたり…抹茶を頂いたことを入れたら、五感すべてをつかって楽しんだといえる。夜はまだ寒かったけれど、電子音楽と和紙に包まれた光と映像でできた空間は、まさにサクラの木下でお茶をしているような、時間の流れがゆっくりとした、淡くほのかなものだった。





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