
出町ふたば
いまやデパ地下の常連、『出町ふたば』の『名代豆餅』。出町柳にある本店には毎日行列が。車の多くなかった時代には、並んでいる列が橋をまたいだという伝説まであるのです。いったいどんな歩みを経てきたのでしょうか。
『出町ふたば』の創業は明治32年。初代の出身地石川県では、豆餅はちまきのように神様へのお供えものとされていました。その豆餅を京都でも育てたいとの思いから創業当時から看板商品として力を入れてきたそうです。できたては「赤ちゃんの肌のような」といわれるようなやわらかさで、ほんのり塩味と餡の甘みが絶妙のバランス。この餅に塩味をつけるというのは実は石川県のある北陸の独特の文化で、発売当時京都の人々にとっては目新しい味でした。
お店のある出町柳はちょうど京都の出入り口に当たるところで、大原から焚き木を売りにきた大原女さんを始め、多くの人が行き交う場所でした。もともとお菓子屋さんというのは、1皿(8個くらい)といったまとまった数から商品を扱っていましたが、1個、2個でも対応してくれる『出町ふたば』は食べ歩き、またはちょっと休憩に寄るお客さんに好評を博しました。
『出町ふたば』は鴨川のそばにあるので、鴨川でくつろぐおともに『出町ふたば』の豆餅を、という感覚が鴨川を訪れる人にも根付いていったのです。
『名代豆餅』の魅力のひとつ、あの餅のやわらかさはつきすぎてもだめ、つきが甘くてもだめ。そのぎりぎりで調節したつき加減のおかげだそう。創業当時からつくところまでは機械に任せ、その後の包み作業は職人さんの技術が受け継ぐというスタイルをとっています。それがムラのないおいしい豆餅をつくるためのベストな手段なのです。
お餅はスピード生産が向いているといい、なんと一日で百貨店などに出荷する分だけでも1000個ほど、店で売る分にも1000個ほどの豆餅が生まれていきます。職人さんが4人で1時間に200個ほどの豆餅を作るペースだそうです。
少し専門的な話になりますが、普通使われる赤エンドウ豆の大きさは「二分四厘」というサイズです。それを『出町ふたば』では3年ほど前から「二分六厘」という、もう少し大きめのサイズのものに変えました。これが実はなかなか取り扱われていないもので、いまのところ二分六厘の赤エンドウ豆を使った豆餅は『出町ふたば』の『名代豆餅』だけ。豆の粒が大きい分、食感がもっと楽しめます。「よりいい素材があれば使いたい」という店主さん。「お客さまが喜んでくれるなら」という姿勢が、これからもファンを生みだし続けることでしょう。
[出町ふたば]Data
- 店名:
- 出町ふたば
【でまち ふたば】 - 住所:
- 京都府京都市上京区出町通今出川上ル青龍町236
- 電話番号:
- 075-231-1658
- 定休日:
- 火曜 第四水曜 (祝日の場合翌日に振り替え)
- 交通:
- 京阪電車「出町柳駅前」より5番出口より河合橋、出町橋渡る正面
地下鉄「今出川駅」より今出川駅を東へ徒歩10分 - 営業時間
- 8:30〜17:30
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