
錦湯
京都には古い銭湯がたくさん。古いだけがウリじゃない錦市場の「錦湯」では、なんと落語も能も見られるしジャズも聴けちゃう?飲みに行った帰りに、ひとっ風呂浴びて懐かしのラムネなんていかがでしょう?
四条通りの喧騒からふらっと横道に入ると、威風堂々と建つ木造3階建ての建物。昭和2年の創業から錦市場とともに歩んできた「錦湯」は、今や京都の名物銭湯です。取材時は夕方4時の営業開始に合わせて行ったはずが、すでに湯上りでくつろぐおばあさま方。「2時から勝手に入っとる人もおんねん」。ご主人は番台の男湯側でのんびり読書中でした。
ラムネが入った冷蔵庫に、脱衣所には常連の名前が書かれた古い柳行李(一つ4〜5万円の高級品!)、10円を入れると動くドライヤーなど、時間の染み込んだ味のある品々に目を奪われます。「中途半端に直したらカッコ悪い」ということで、建物もほとんど手をつけられていません。
「錦湯」ができたのは現在のご主人である長谷川泰雄さんのおじいさんの頃。初代は錦市場で御所御用達の八百屋をやりながら他の人に銭湯を任せていたそうです。中学の頃にお父さんを亡くし、その頃からお母さんを手伝って毎日銭湯の仕事をしていた泰雄さん。その後会社勤めも経験しましたが肌に合わず3ヶ月で辞め、山仕事もしましたが、怪我をしたため錦に戻ってきたそうです。
「錦湯」が有名なわけは、定休日に行われるバラエティーに富んだイベントのため。脱衣所を使っての女剣劇や落語、能、ジャズライブ、マジックショー、古本市、浴衣販売など毎月1回以上はユニークなイベントを開催しています。5年ほど前にはあのFantastic Plastic Machineの田中知之氏によるイベントが行われたとか!イベントのタイトルはほとんど泰雄さんがつけてきました。「Do 湯 能?ライブ」や「ジャズシャワーナイト」、「バスマジックイン錦湯」など、ファンキーなネーミングセンスが光りまくりです。
無駄な時間が嫌いという泰雄さん。「自分の手の届く範囲の面白いことはする。普段の生活から逸脱したらあかんけどな」そう話すご主人の手の届く範囲とは、きっととても広い。毎日銭湯に居ながらにして、錦湯にはいろんな人が出入りします。毎日バスに乗ってやってくるおばあちゃん、錦の商売人さん、物書き、アーティスト。いろんな人が集まって、番台での会話から生み出されたアイデアを、外へ発信する。こんなレトロでクリエイティブな銭湯、これまであったでしょうか?
[錦湯]Data
- 店名:
- 錦湯
【にしきゆ】 - 住所:
- 京都市中京区堺町通錦小路下ル八百屋町535
- 電話番号:
- 075-221-6479
- 定休日:
- 月曜休
- 交通:
- 地下鉄四条駅から徒歩5分
- 営業時間:
- 16:00〜24:00
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