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一つのイベントがどれだけ回りに影響を与えるか。
その与え方が自分のツボにはまった時が最ッ高。 |
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照明も含めた演出ですね。たとえば、1つのイベントに出演者が出た時にそれをどういう風にみせるのかってことです。
僕がしてるのはその日の出演者の演出というよりはイベントの演出ですわ。イメージで進めるんですけども、イメージを膨らませていく以上に神経を遣っているところがあります。
イベントには、「イベントのコンセプトを決めて出演者を呼ぶ場合」、その逆に「出演者を選んでからイベントのコンセプトを決める場合」とかありますよね。だけど、先に「内装を決めてから出演者やイベントのコンセプトを決める」イベントもあるわけです。それに、ハコによってやれることって限定してきます。まずステージの位置、そしてお客さんが座って見るのか立って見るのかとか、どこにスクリーンを配置するのかとか、そういういろいろな条件があるってことですね。そういうことを考慮しないでイメージだけで進めた場合、下手したらお客さんでスクリーンが見えなくなる場合もあるかもしれない。コンセプト、出演者、内装とかっていういろいろな要素をどのように出していくかというところが、イメージどうのこうのよりも実は大変やったりしますね。要素一つ一つは独立したものではないんですよ。全体ができてからイメージですから。
演出は、アーティストの方と綿密に話し合いを重ねる時もありますし、こっちでやっちゃうこともあります。でもやっぱり初めてメトロを使う人が来た時はわからないですねえ(笑)。わかる日はほんまにわかりますし、ものすごく大掛かりなことをやる時もあります。
ジェフミルズが来た時は、天井すれすれのところに、蛍光の細い糸を張りめぐらしてブラックライトで光らせるようにしました。彼の場合は、テクノ〜近未来。SF的なところからですね。タウン&カントリーってのが来た時は、地面いっぱいに枯葉をしきつめたりして。彼らはインストゥルメンタルのバンドで、アコースティックなんですわ。ミニマルミュージックとかいう類の現代音楽を、全部の生楽器で演奏しています。そのうえ前衛的なことをやっているところが僕は好きですね。前衛的っていうのはつまり、彼らの場合、わかりやすく言うと音の反復によって空間を作っていくんですけど、どこかノスタルジックやったりするところですね
。

もともと現代美術作家なんですわ。昔、精華大学で美術の勉強をしていて。高校の時から油絵とか水彩画などの美術をしてたんで、そっちの方向へ進みたいと思っていたんです。大学卒業してからは、1年間くらい学校の非常勤講師もしていたことありますよ(笑)。
美術では平面を、メトロでは空間をしていて難しそうに思うかもしれませんが、平面と空間の違いっていうのはあまり意識しなくてもいいことだと思っています。平面と空間の違い以前に、自発的な表現活動と、そうじゃなくって、いわゆる職業で必要に応じてするものとは根本的に違いますからね。それに僕の場合、平面ゆうてもインスタレーション的なこともしますから。たとえば、レントゲン写真状のものをパソコンでいっぱい作って、それをライトボックスで照らして(ギャラリーの)壁に飾って、その真ん中にテーブルを置いたりね。ドドドっと。
クラブで働くようになったのは成り行きなんですよね。…精華にもいろいろなバンドがいたんですわ。その中でもMETROとかいろいろなライブハウスでライブをしてはるような方と、よく一緒にバンドやらしてもらったりとかして。僕が昔やってたバンドは、オルタナっていうかノイズって感じでした。今は違うバンドしてますけども。そういう活動の中でメトロに来たわけですね。

僕は表現活動が好きなんです。表現において自分ができることはその二つだけなので、美術も音楽も本気でやってきました。
どのように表現活動をしていくかっていうのは人それぞれに違って、いろいろなスタイルがありますよね。明確なテーマを決めて、そこからディテイルを起こしていく人もいるとか。僕が音楽で表現するのは、即興的なものが多かったですわ。その瞬間、瞬間に、出てきたものを表現するという行為のほうが、音楽面では得意でした。美術のほうは、ある程度コンセプトを決めます。制作進めながら、その時のその時の思いつきを積み重ねて作品を作っていきます。
レントゲン作品の話ですけども。あのレントゲン写真状のものは、パソコンでならいろいろな形のものが無限に作れるわけですわ。無限にできるうえで、どれも偶然できたものというのに惹かれてやり始めました。「デジタルっていう架空の世界から、網か何かで引っぱって釣り上げました」、みたいな展覧会をやっていたんです。
結局のところね、たまたまなんですわ(笑)。初めてパソコンを使って作品を作ろうとしている時に、たまたま何かの絵と何かの絵が重なってすごい形ができて。しかもそれが自分の手によるものじゃなく、パソコン上でなら無限にできる。“なんだこれは!こんなこと勝手にできるんや!”ってギョッて思って、直感的にひらめいたんです。無限の可能性を感じる世界ってあるじゃないですか。数学的にとか確率的にとか無限にある世界。そういう世界のイメージが頭をよぎりましたね、“これだ!!”って(笑)。それまではまったく違うものをしてたのにね。
音楽と美術、一人の人間からできるものなので統一性はあるのでしょうが、自分がどのようなものを作りたいのかっていう統一性を見つけられないですね(笑)。10年くらい前、偉い先生に“続けていったら一つの表現にたどり着くから両方やりなさい”って言われたから、それを鵜呑みにして(笑)、バンドも美術もずっとやってるんですけど。未だに見つかりませんね(笑)。
メトロでは何でも全部どういう職種も全部いろいろやってきました。今はわりと演出の仕事にウェイトを置いてやっていますけども、バーテンの仕事もしますしブッキングの仕事もしますし、お金の計算もしますし(笑)、全部対等というか、並立関係でやってます。だから、他のことが手薄にならないように努力して、それでやっと自分がやりたいことができるわけですわ。そうでないとね、好きなことばっかりやってるって思われるんで。それに、たとえば演出とかDJとか、好きなことだけやっても食っていけないですよ。
やっぱり一番大事なのはお客さんによろこんでもらうことやと、それだけですわあ(笑)。もうそれ以外の何もないと思いますけどね。飲み物にしても、演出にしても音にしてもそれだけです。

この仕事をしてきてよかったと思う時は、やっぱりそのイベントがすごくおもしろかった時ですね。僕、性格が結構ひねくれてますんで(笑)、すごくおもしろかったっていうのが年に1度くらいで。この1年で、「今夜は最高やった!」と思えたイベントは、別にお金をかけたイベントでもなく、知り合いが出てるだけのイベントだったんですけど。「全力オナニーズ」とかいうバンドが出てて(笑)。あれがねえ、もう最ッ高によかったんですわ。もうほんまに一言で説明するなら“破廉恥”としか言いようがないバンドなんですけど(笑)。全力オナニーズがよかったというよりは、その破廉恥さを容認している京都の音楽シーンが最高!!って思ったわけですわ(笑)。バンドから外に広がるもの、バンドを取り巻く状況みたいなのが最高!!そんなバンドの照明もできて最高!!って気持ちになれましたね(笑)。それがここ1年でやっててよかったっていうことですわ(笑)。

料理で言うたら盛り付けみたいなもんですかねえ(笑)。
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