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おのぞみドットコム 音楽を生かす>音楽プロモーション 彦田景子 26歳

基本であるのに忘れそうになる、だからこそ
「どうか届きますように」って気持ちを大事にしたい。


お仕事は?

RAG INTERNATIONAL MUSICという会社に勤めています。まず、Live Spot RAGで毎日行われるライブの広報です。これは、アーティストの方の取材に同行したり、あるいはライブスケジュールペーパーの内容を書いたりしています。あとは、RAGはスタジオとかCDレーベルとかいろいろしてるんですけども、CDレーベルに関しても、プロモーションの部分をやっています。

でも、宣伝担当でも、彦田さんは宣伝以上のところにも携わっていますよね。ミュージシャンのサポートに直接携わっている感じがします。ライブスケジュールペーパーを書くにしても、データ的な扱いをしていないと思います。ミュージシャン一人一人をちゃんと見つめて、バックアップしているというか。

そう言われても実感わかないですね(笑)。私は自分がやっていることしか知らないから、他の同じような職業の人がどういうことをしているかって言うのを全然知らないので。音楽業界に入ったのも、これが初めてのことだし、一般的なスタイルとかっていうのは全然わかってないですね。

私ね、宣伝だけっていうのは、寂しいっていうか、つまんないんですよ。公演の前にはアーティストさんとお話する機会とかありますよね。すると、いろいろなお話を聞けて、その人の人となりとかを感じるチャンスがあるんですね。そういうチャンスは大切にしています。だって、私は音楽って音だけじゃないと思っていますから。これはみなさんいろいろな持論があると思いますけれども。私は、その人の人間性とか容姿とか全部含めて、その人の音楽として受け取ると思っているんです。ものすごく極端に言うと、素敵な人がやってる音楽が素敵でないはずはないっていうくらい、その人と音楽とを分けて考えることはできないと思っていて。宣伝するにしても、その人のことを少しでも知っているのと知らないのとでは、まったく変わってきますよ。

でも、音源を聴いたり資料を見たりするだけで、ほとんど知らない状態の中で、ライブスケジュールペーパーなんかにアーティストさんを紹介しないといけない時もあるんですね。そういう時は困りますけど、私は資料をまとめただけのものには極力したくないんです。申し訳ないというか。お会いしたことのないミュージシャンでも、その人たちに対する気持ちは基本、同じなので。資料を手にした時、限られた資料の中から私ができることって何だろう?ってまず思います。マストに入れなきゃいけない情報、文字数制限がありますよね。それをクリアした段階にきた時、じゃあ自分は何ができるのかって考える。すごく難しいけど、それはやっぱり考えるのが普通のことだと思っています。

だってね、自分の書いたものを誰かが読んで、何かしらの印象を持つわけじゃないですか。その印象の基になっているのは私の印象なので。たとえ、自分の主観的な意見であっても、印象の基になるものは大切にしようと思います。だから、現場(ライブハウス)には極力行くようにして、その人を自分なりに知ろう、好きになろうとはしますよね。




好きなミュージシャンがどんどん増えていきそうですね(笑)。

もうほんとにそう(笑)。私にとってはステージに立っている時点ですごいから。キャリアがあるないとかほんとに関係ないんですよ。どのミュージシャンでもステージが終わると、ほんとに素敵やと思ってしまう。ある時ね、「うわー、この人ほんとに素敵ですよね」っていう話を関係者の方としていたら一言言われましたわ。「君、騙されてる。思うつぼやで」って(笑)。でも、そんなこと言われたって、私わからないから。もういいかってそれで(笑)。

それはもう笑い話なんですけど、…実際、ミュージシャンのことは好きですね。ミュージシャンとRAGとの付き合いというのは続いていくものなんで、RAGに関わってくれたミュージシャンっていうのは常に気にかけていたいと思いますよ。出てくれた人が今何をしているのかとかは自分なりにおさえてありますね。自分の信じたものをやっている人って、ある種の孤独さを持っていると思うんです。だから、「私はあなたのことを忘れていませんよ、気にかけていますよ」っていう気持ちを持っているのはすごく大切だと思っています。それに、以前RAGに出てくれたミュージシャンの話が、他の誰かと話していて出たとするじゃないですか。そしたら、私がそのミュージシャンのことを知っているのは当たり前だと思っています。そして、そこでもその人のことをしっかり話して、その人のことを相手に伝えたいと思う。

彦田さんは、RAGのことも大事にしているけど、まずミュージシャンのことを大事にしている気がしますが。

(笑)、うん、すいません、そうです。ちょっとその順番はどうかな…って思う時もあるんですが(笑)。でもね、この業界には「ミュージシャンに何かを返したい」っていう気持ちで入ったのでね。

でも、ミュージシャンを大事にするのはRAGを大事にすることですからね。回りまわって一緒になりますよね。

うん、だからそう思ってやっていますよ。RAGっていう場所は、物凄く大切なところだし。

彦田さんのスタイルですよね。ミュージシャンをしっかり見て、しっかりわかって、しっかりしゃべって。そういう関係作りが、RAGの中で彦田さんの仕事として成り立っているじゃないですか。ものすごくいいサイクルですよね。




彦田さんって、もともとこういう仕事をしたかったんですか?

うん、したかったんですけど、できなかったんです。一応、音楽関係のところへも就職活動しに行ったんですけど、ことごとく断られてしまい(笑)。とりあえず、商社に入りましたね。OL時代はそこそこお金ありましたから、CDとかチケットとか買いまくりました。気になったミュージシャンはとことん知りたいと思ったし。いわゆるライブ三昧のOL生活を送ってたんですね。

会社勤めを始めた年の夏に、RAGがスタッフ募集をしたんです。私はそれを知っていたけど、応募できなかった。社会に出て数ヶ月の今の自分には何もできないと思ったんですね。もうチラシ見て「クッソ〜」と思いましたね。だから、次募集がある時までに着々と準備をしようと思いました。RAGに入るまでに、社会人としての経験を積んでおかないと、と思いましたね。

私ね、昔から音楽にすごくパワーをもらってるんです。だからその頃も、お金を払ってライブに行くことやCDを買うこと、拍手を送ることでミュージシャンに何かを返せるってすごく思ってたんですね。…そうやって日々送ってたのですが、勤めだして2年くらいかな、ある時からもう限界になってきたんですね。返しきれないって思ったんです。それで前の仕事を辞めたの。




実際、RAGの仕事について、実際はどうでしたか?

この仕事をしていて、あれもすればよかった、これもすればよかったって思うことがたくさんあります。もともと引っ込み思案なので、その癖がまだまだ残っていて。悔やむことはすごく辛いですね。でもぐずぐず思っているだけでも、どんどん時間は経っていって意味がないから、いかにして気持ちを切り替えるか考えています。今でも、機会損失というのが一番怖いですよ。

RAGには23年の歴史があって、すごく責任を感じています。たとえ私に与えられた一つの機会でも、とても大切にしなくちゃいけません。それにすごくプレッシャーを感じたこともありました。先輩からは、「私の仕事が止まるということは、RAGの売り上げが止まるということ」というぐらいのことを教わりました。でも、「どっかで自分も楽しむ気持ちを忘れてはいけないよ」とも言われましたね。そうじゃないと、逆に硬くなって、いい場にはならないから。心のどこかに、その場を楽しもうとする気持ちを持つ。持てなければ、緊張してガチガチになってその機会が終わってしまうからって。

楽しもうっていう気持ちって、人に気を遣うっていうことから生まれるのかもしれないですね。いい場を作るために、わざと余裕を作るっていうかね。

私も自分に余裕がないのにそんなことできないって思っていたんですね。だけど、私の状態っていうのは相手に何も関係ない。確かに、エゴを極力抑えて、その場をどうするのかに重点を置いて仕事をできたとして、それがうまくいくと自然と気持ちも上がりますしね。お前のエゴなんてどうでもええんじゃボケ、みたいな勢いですよ(笑)目指すところは。


この仕事をしていて、一番忘れないようにしている気持ちを教えてください。

発信している気持ち、かな。こういう仕事ってね、ほんとに相手に届いているかどうか正直わからないじゃないですか。だから「どうか届きますように」っていう気持ちを忘れちゃいけないと思う。その気持ちを持っているか持っていないかで、仕事の質が全然違ってくると思う。気持ちを込めて仕事をすることは、基本でありながらも忘れてしまいそうになることで、だからこそ大事にしたい。

人付き合いにしても、気持ちを込めて人と接したいですよね。…でもまあ、これはものすごく難しいですね(笑)。人付き合いはもともと苦手なので、今でもたまに「ワーーーー」って夜中に叫びたくなりますね(笑)。オープンマインドの人はすごいなって思いますね。理想は、誰にでも同じ姿勢で、オープンに接することができるようになることですけどね…難しい!


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