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バル北筋のビルにひと際異彩な空気を醸しだしているビルがある。通りに面した小さな窓から1階の店内をのぞき見ると、例えようの無い酒場の匂いを窓越に感じてドアを開けた。それがバル北随一の不思議空間、ガウチョだった。
若者が闊歩する河原町で、この店の席に座る人の年齢はぐぐぐっと高いが、他ではちょっと味わえない空気がある。「型がない」この店を説明するのにもっともふさわしい言葉だが、2代目のマスターである竹村さんを始め、店に学生時代から通う客たちもこの店のジャンルが分らないのだ。バーのようなカウンターをし、居酒屋めいた空気で、スナック的な夜もある。でも、客たちの心中でしっかりと定位置を占めていることは確か。皆1人でやって来ては、マスターの鼻歌を聞きながら、思い思いに酒を飲み、好きなだけ周りの人と話をして帰る。
音楽だってなんでもあり。タンゴ、ジャズ、ブルースと時代とともに変わってきて、開店して50年以上経った今では持ち込み制というスタイル。「あれかけて」より「これかけて」のほうが手間は省けるわけだ。時代を反映してラインナップを変えゆくバックバー、いったいどこ行ってきたの?と笑える空中に浮かぶ客の土産やランプたち、壁の厚みが変わるほどに重ねられたポスター群。店内の物たちすべてが喋っているようで、大声で話してもいないのになんだか賑やか。そんな中で「僕は普通やけど、お客さんが変わってるからおもしろい」とマスターは笑顔。間髪いれずに「マスターが一番変やわ」とカウンターからツッコミ。
「何がオススメ?」なんて会話もなければ、閉店時間も決まっていない。その“いい加減”が絶妙ないい具合。それでいて壁には「紹介制」のプレート。噴出した私に「会員制よりランクが高いんやで」とお客がニヤリ。ご安心ください、悪い人避けだとか。バル北の不思議空間は脱力酒場?いえいえ、脱力するのはマスターの鼻歌だけですから。
ビール 600円
ウイスキー 600円〜(写真は「Maker’s Mark」1000円)
手作りピザ 800円
チャージ 500円
京都市中京区河原町三条下ル
BAL北通り東入ル新大佳会館1F
075-255-2953
6:30PM〜客がいる間
不定休
カード:不可
駐車場:なし
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