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日本酒のさしすせそ
さ し


 
日本酒が他のアルコール類と比べて一番変わっている点は、飲む時の温度の幅がとても広いということ。5℃から50℃までの広範囲で、わずかな温度差によって香りや味わいが複雑に変化する。また、日本酒は、温度によって情緒がある名称がつけられている。雪冷えや花冷えなどがいい例えだ。専門用語にも季節感があるのは日本人の優れたセンス。語感も気持ちがよく実においしそうに感じられるものが多い。その辺りも要チェック。
 
ヒヤヒヤのミリョク
むし暑い夏の宵に冷酒やオンザロックなんて絶品!冷たいけれど口当たりはやわらかく、飲み終わってからも心地よい、静かな余韻がじわりじわりと舌を刺す。冷やで飲むのにオススメなのは、醸造してまだ間もないフレッシュな酒だ。
 
アツアツのミリョク
燗をすることにより香りがとび、繊細な風味がなくなってしまうと言われるが、中には温度を加えることでぐんと旨くなる日本酒がある。温めて旨くなることを「燗上がり」と呼ぶ。お燗にしてから冷めても旨い酒は優れた日本酒と言える。また、お燗酒の方が酔いを感じやすいので、燗にして飲むほうが冷酒で飲むよりも身体にやさしい飲み方と言える。
 
 
入学、卒業、就職などなど節目を迎える季節はいつも春。祝い酒にはやっぱり日本酒。とりわけ春は酒蔵からの「しぼりたて(の酒)」=新酒が旬の時期。冬の寒さを乗り越えた日本酒は、時に「荒々しい」と表現されるほど新鮮で刺激がある。酒のお供に桜があれば言うことなし。花見をしつつ、友と賑やかに船出に乾杯。
 
ビールが夏の暑さを一気に拭うイメージなら、冷酒は夏の暑さに自然と親しくなってゆくイメージ。ゆっくりゆっくり、暑さを忘れて酒を飲もう。夏には一切火入れせずに作られた「生酒」がいい。爽やかな香りと清涼感ある風味がたまらない。オンザロックや、ジンやウォッカで割っても◎。夕涼みにぬる燗なんてのもオツ。
 
涼気に食欲をそそられ、何でもおいしく感じられる季節。うまい具合に日本酒も、秋には一段と旨くなって登場する。冬から仕込んで春に加熱殺菌、夏の間にじっくり熟成させた「冷やおろし」は風味が冴えた秋口に出荷される。新酒のようなフレッシュさや荒々しさは落ち着いて、なめらかな口あたり。炒り銀杏や秋刀魚の刺身など、お気に入りの秋の味覚と一緒に楽しんで。
 
冬はお燗酒か「にごり酒」。酒が温まるまで待つ時間も風情あり。お燗酒が喉を通過していくと、芯からほっこり暖かくなる。また、「にごり酒」は冬から春にかけての風物詩で爽やかな刺激が冬には新鮮。寒そうな冬景色をこたつで、はたまた露天風呂で眺めつつ飲むオンザロックはこれまた最高。ちびりちびりと飲もう。


知らなくても酒は呑めるけど。
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