おのぞみドットコム
産地直送!お守り便 春夏秋冬、京都便り
京のかみさまほとけさま 究極の絶景
おのぞみドットコム究極の絶景>第6回 勧修寺 臥竜の老梅
仁和寺の雪 勧修寺

山科にある勧修寺には、「臥竜の老梅」と呼ばれる梅の木があります。300年前から元々あった木の根と、そこから生えた子と孫にあたる木がよりそう、珍しい形をしています。現在、花を咲かせるのは孫の木のみ。他の2本は、枯れ木として根元に横たわっています。その様子が、まるで竜が絡み付いているようにも見えることから、「臥竜の老梅」と呼ばれるようになりました。
東山を背に咲くこの老梅は、元々、御所にあったと言います。それが江戸時代の元禄年間(1688〜1703)に皇族の一人が、勧修寺住職に出家した際、一緒に京都御所から移されました。梅の木を見ながら、かつての宮中の様子を懐かしんだのです。きっと梅も、その想いに応えて見事な白梅を咲かせたのでしょう。だからこそ300年もの間、代替わりしながらも咲き続けることができたのです。
勧修寺の梅は、北野天満宮、随心院と並ぶ梅の名所として知られています。しかし、何千本という梅が整然と並ぶ北野天満宮や随心院と違って、勧修寺の庭園にある梅は1本だけ。他と比べて特別大きいわけでも、特徴のある花を咲かせるわけでもありません。あえて違う点をあげれば、枯れ木が2本、寄り添っているぐらい。けれど、なぜかこの梅の老木は、私達の心を惹きつけてやみません。その理由は、この老木が過ごした300年の歳月と関係があるような気がします。

人間にとって、時間の概念ほどあやふやなものはありません。かつてアインシュタインはこう言いました。
「嫌なことをやっていると時間は遅く過ぎるが、美女と過ごすと一瞬である」
その時の状況や空想を働かせることで、時間や空間を吹き飛ばしてしまう。一瞬の時間が永遠に感じたり、気が遠くなるほど永い時間を一瞬に感じたりします。そして時には、何百年前の物語に思いをはせることで、時間や空間の束縛から解放されることもあります。もちろん、時間を遡ることはできないけれど、その場所でかつて起こったドラマを想像することで、私達は、少しの間、夢を見ることができるのです。

この老梅が私達を惹き付けてやまないのは、下にある朽ちた老木のせいではないでしょうか。咲かなくなった枯れ木を見ることで、かつての姿を想像する楽しみがあります。私達は、枯れ木を通じて、300年前、宮中の雅な生活に思いを馳せた皇族と時代を越えて向き合うことができるのだと思います。
早咲きの勧修寺の梅が咲くのは、2月から3月にかけて。300年の時空を超えた白梅が、私達を待っています。

●勧修寺
京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6
075-571-0048
アクセス:市営地下鉄小野駅下車徒歩5分
営業(拝観)時間:9:00〜16:00




 
 

お問い合わせ会社概要ポリシーサイトマップこのサイトについてスタッフ募集!
Copyright (c) Nozomi,inc All Rights Reserved.