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おのぞみドットコム究極の絶景>第8回 大田の沢
太田の沢 太田の沢

「神山や大田の沢のカキツバタ、ふかきたのみは色に見ゆらむ」

洛北にある大田神社。決して大きな神社というわけではありません。それは、上賀茂の深い森の中に静かに佇んでいます。その傍らには、大田の沢と呼ばれる池があります。この大田の沢は、平安の時代から1000年以上続くカキツバタの名所として知られています。毎年5月初旬から中旬にかけて、新緑に包まれた池一面紫のカキツバタが咲き誇ります。その様子は、平安の歌人・藤原俊成が冒頭のように詠っているほどです。

「人を一途に恋する心は、大田の沢に咲くカキツバタの色のように、なんて美しく可憐なのだろうか」という意味で、カキツバタの美しさと思春期の女性の思いの純粋さを詠んだ歌です。なるほど、よく言ったものだと思います。カキツバタが咲くのは5月の初旬から中旬にかけて。決して長くはありません。同じように、思春期の思いも、願いが成就しその人を好きでい続けることなど不可能ではないでしょうか。人の心というのは、年月を経るに従い、変っていくものです。

恋だけではありません。将来の夢や将来の仕事など、人は生きていくうちに妥協を繰り返します。けれど、大切なのは、最初の思いに執着することではないのかもしれません。その時々で気持ちを切り替え、前を向いて新しい目標に向かい進み続けることが大事なのではないでしょうか。一瞬一瞬を精一杯生きる。そうすれば、大田の沢のカキツバタのように、ささやかかもしれませんが、何かを咲かすことができるのではないでしょうか。


●大田神社
075-781-0011(上賀茂神社)
京都市北区上賀茂本山340
拝観自由
アクセス:市バス上賀茂神社前下車徒歩8分




 
 

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