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おのぞみドットコム究極の絶景>第9回 妙心寺
妙心寺 太田の沢

何気ないものに心を奪われる時があります。夕方、右京区花園にある妙心寺を散歩中、私はそんな風景に出会いました。狩野探幽筆の雲龍図がある法堂に通じる渡り廊下。その渡り廊下に夕陽が差し込んだ瞬間、思わず足を止めてしまいました。

妙心寺は、花園上皇から離宮を与えられた開山慧玄が、禅刹として改めたのが起こりです。臨済宗妙心寺派の本山で、法堂など七堂伽藍をはじめ、50近い塔頭が立ち並んでいます。そして、その一つ一つが独立した一個の寺と同じぐらいの規模があります。きっと丸1日使っても、全てを見ることはできないでしょう。

渡り廊下の先にある法堂のように、重要文化財などに指定されている建造物も多くあります。

けれど、不思議なことに私が足を止めたのは、そんな重要文化財ではなく、ごく普通の渡り廊下でした。お坊さんが特に気を使うわけではなく、毎日通る道です。これといった派手な装飾や、特徴のある外観をしているわけではありません。けれど、よく見れば石垣の上の見るからに古い橋は、実は綺麗に磨き上げられています。決して主役にはなれませんが、日常何気なく使いこまれているものにしか出せない風合いを感じます。

沢山の人がいる中で、脚光を浴びることができるのは、ごく一部の人だけです。ほとんどの人は注目を浴びることなく、人生を終えます。けれど、平凡だからといって、価値のない人生でしょうか?人それぞれに何かしら、光るものを持っていると思います。それが単に、目立つものかそうでないかの違いがあるだけではないでしょうか。あるいは夕陽が渡り廊下に射すまで、その良さに気づかなかったように、ほとんどの人は自分や周りの人の良さに気づいていないだけかもしれません。少し足を止めて、自分の周りをゆっくり見てみる余裕を持ってはどうでしょうか。そうすると、本堂の前で輝く渡り廊下のように、誰も気付かなかった魅力を発見することができるかもしれません。


●妙心寺
京都市右京区花園妙心寺町
075-461-5226
9:10AMから3:40PM
境内散策自由
アクセス:JR花園駅下車徒歩10分




 
 

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